バレンタインデーキッズ 〜名誉をかけて〜
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女は頬を赤くしてはにかむように頷いてって、
「砕けない物を見せつけ僕の非力さを煽ったつもりか?甘いんだよ!その油断が命取りになる!」
僕は手の中にその青のマフラーをイメージする。
「千切れろぉっ!」
そして思いきり握りつぶす!
グシャアッ!
僕に握りつぶされたマフラーは、無残にもバラバラとなり、その内部圧力によりバイクのマフラーに再構築された。
「ハハハハハハ!君はそれを首に巻くのか!?下らない気遣いとプライドで、それを首に巻いたまま無理して微笑むのか!?」
「……俺、決めた。暴走族やめる」
「素否緯度君……」
女は目を潤ませた。
「俺のお前への想いより、暴走してるものなんて無いから……」
「素否緯度君っ!」
「早紗っ!」
2人は熱い抱擁を交わしました……って、そんなのが必要じゃないんだよ僕は!!
「誠に不快だ!まったくもって不快だ!」
僕は地団駄を踏みながらその場を後にした。
世界は不幸と幸せで回っている。不幸が3連続で続く確率は八分の一!つまりそろそろ幸せが……
「って三手火神さん!?」
僕は天井に登ったかの如く幸福だ!!だから数学は馬鹿にできない!
「あの……」
千代子ちゃんはいきなりもじもじし始めた。
「なぬぁぬぁなんだ?」
僕は内心の動揺を悟られぬように尋ねた。
「これっ!」
千代子ちゃんは突き出すようにチョコを見せた。
「え!?」
僕は蛙がひっくり返りそうな素っ頓狂な声を上げた。そうだ希望とは不意に現れ素敵な未来を連れてくるんだ。
「あなたの弟に、渡してくれない?」
「ぬぉををぉおぉおぉぉぉをおぉぉおおぉぉぉおぉををぉぉぉぉをおをぉを!!!!」
僕は地獄の亡者の様に叫んだ。天上にいる弟よ、聞こえるか?君が煩いと思ってくれたなら何よりの幸せだよ。
「そ、そんな変な声出さないでよっ!」
千代子ちゃんは恥ずかしそうだけど、僕はあいにく周りが眩しすぎて分からない。
「ははは千代子ちゃん君何言ってるのかわかってるよねそういうことを僕に頼むってことは地獄の1丁目から天国の99丁目にトラックを届けさせることより2000倍苦しいことだって分かってるよねぇえゑぇ!?」
僕の心の中では怒りと絶望の炎がキャンプファイアーのようにメラメラと燃えている。懐かしいなキャンプファイアー。みんなで薪を集めたよねぇ!
「ちょっと、あなた、落ち着い……」
「大丈夫だよ千代子ちゃん君は騙されてるんだまずはこれを粉々に砕いてから君の洗脳をゆっくりと解いてあげるよ」
そうかそれだけじゃないか千代子ちゃんは何も悪くない。さて、なんて素晴らしい能力を持ってるんだ僕は。千代子ちゃんの偽りの心を吹けば消し飛ぶ位に粉々に砕いてあげられるんだから!
「さぁ初めようか清
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