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虹の軌跡
第六十六話

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それからも、虹太郎は打ち続けた

二度、外野フライを打つも、7球で二塁打3回の23点を記録した

キャプテンも変化球を持っていたが、プライドが邪魔してか、ストレートに固執していた

監督
「わかった、もういい」

8球目を待たずして監督が口を開いた

キャプテン
「しかし、監督。まだ…」

監督
「もう式島は規定の点数を達成した。お前も負けを認めろ」

キャプテン
「………」

監督
「しかし、驚いたな。140km/h以上の速球をいとも簡単に打ち返すとは」

虹太郎
「あ、いえ…前の中学にいた時に、OBの投げる球が150km/h程だったので自然と目が慣れたと言いますか…」

監督
「何?150km/h?そのOBとやらはプロかね?」

虹太郎
「いや、高校生ですね。でも、プロのスカウトからも注目されている方でして」

高校生で150km/h級の投手と言うとかなり限られてくる

監督
「フム…そう言えば君の出身を聞いてなかったな。前はどこの中学にいたのかね?」

虹太郎
「!!…いや、それは…」

急に言葉を濁す

啓一
「(まただ。おれも何回聞いても教えてくれないんだもんなぁ)」

何か嫌な思い出でもあるのか、一向に話そうとしない

監督もそれ以上は追求することは無かった

監督
「よし、それでは約束通りだ。式島、キャプテンの投手フォームを見てやれ」

虹太郎
「はい、ありがとうございます」

一礼して、虹太郎はキャプテンに近付いていく

啓一
「ホントに勝っちまったよ」

はじめ
「つーか全部当てたよな、フライも含めて」

他の部員も口々に話している

突然現れた転校生・式島虹太郎


彼は一体何者なんだろうか?
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