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久遠の神話
第七十九話 次期大統領としてその八
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「それだけになりましたね」
「後四人です」
 大石は顔を上げ礼拝堂の主、十字架の彼を見て言った。
「もう少しですね
「後四人もいるという考えもいますが」
「四人だけです」
 大石はこう考えるというのだ。
「そしてその四人の方も」
「必ずですか」
「はい、戦いを止めて頂けます」
 確実にだ、それが出来るというのだ。
「絶対に」
「前向きですね」
「そうでしょうか」
「そう思いますが」
「これでも最悪の事態は考えています」
「その四人の剣士が戦いを止めないこともですか」
「そして殺し合うことも」
 大石にとって最悪の事態、それはもう想定しているというのだ。
「常に考えています」
「それでもですか」
「前向きに考えています」
「つまり最悪の事態を想定してですね」
「前向きに考える様にしています」
 何時ぞやのあまりもの無能さと外見から豚とさえ罵られた首相とは違うというのだ、口を開けば増税しか言わず何の知識も資質もない下らない輩とはだ。
「常に」
「軍人の様ですね」
「軍人の方もですか」
「常に最悪の事態を想定しています」
 これは仕事柄と言っていい、最悪の事態を考えてそのうえで行動しなければ戦略も戦術も立てられないからだ。
「そしてそれでいて」
「前向きですね」
「前向きでなければ勝利を考えられません」
「ただ最悪の事態だけ、敗北や滅亡だけを考えては」
「それだけです」
 そこで止まってしまうというのだ。
「勝利なぞ考えられません」
「最悪の事態から逆算してですね」
「前向きに勝利を考えます」
 これが軍人の考え方だというのだ。
「私達はそうしています」
「そうですか、私は牧師ですが」
「何故そうしたお考えになられたのでしょうか」
「日本には西武ライオンズというプロ野球の球団があるのですが」
「ああ、あのチームですか」
 西武ライオンズと聞いてだ、スペンサーはすぐに察して応えた。
「青いユニフォームの」
「はい、あのチームに森という監督がいたのですが」
 西武ライオンズ黄金時代の監督だ、知将として知られ的確な采配で充実した人材を万全に使いこなしチームを類稀な黄金時代に導いた。
「常に最悪の事態を想定し」
「そこから作戦を立てていたのですね」
「私はその森監督を見てです」
「最悪の事態を考えてですか」
「かつ前向きにです」
 この二つを併せ持って考える様になったというのだ。
「そうなりました」
「成程、野球即ちスポーツからですか」
「スポーツから得られるものは多いですね」
「私はアメリカンフットボールをしています」 
 今もだとだ、スペンサーは応えた。
「いいスポーツです」
「そして貴方もですか」
「多くのことを学びました」
 そのアメリカン
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