プロローグその2:それは不思議な出会いなんじゃね?
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あの犬しばき回すぞ」
俺が行動を起こす前に腕をブンブンと回し始めたのは啓太だった。
よしやったれ!あのチワワにガツンと一発かましたれ!
「だ、駄目なのーーーッ!!!」
慌てて止めに入る高町さん、ちなみに変身を解いたこの子の恰好は聖祥大付属小の制服だ、高そうな制服ッ初めて近くで見たわ。
「止めないでくれ、ナノっち、俺にはまだ殺らねばならん事があるのだ」
「ナノっちって私の事!?……じゃ無くて、子犬さんが可愛そうだよーーー」
「大丈夫大丈夫、ちょっと躾けるだけだから、もう二度と強くなろうなんて気を起こさんくらい、徹底的に」
ニンマリと邪悪な微笑を浮かべてチワワに歩み寄る啓太、何かすげー悪人面だな……。
つーかあだ名付けんの早くね?
「徹底的じゃ尚の事駄目なの!!」
「大丈夫大丈夫、ちょっとかけるだけだから、『アルゼンチン・バックブリーカー』を」
「あるぜん…………ってなにそれ?」
「大丈夫大丈夫、ちょっと曲げるだけだから、背骨を、逆方向に」
「駄目ーーーーー!!」
ダイジョブダイジョブと連呼する啓太の後に組み付いて必死に止めようとする高町さん。
見方によってはイジメっ子から犬を庇う女の子のようにも見える。
つーか傍から見たらそれ以外の何者でも無いだろう。
だからでしょうか…………。
「ゴルァアアアア!!!!!」
と言う、くぎゅうな声と共に猛ダッシュして来る謎の人物。
その姿は高町さんと同じ聖祥大付属小の制服で、金髪の長い髪は多分外人さんだからなんだろう・・・・。
そんな外人さんの女の子はやたらと流暢な日本語で
「なのはに何さらしとんじゃワレ!?」
と、Vシネさながらの台詞と共に強烈な蹴りを啓太に浴びせた。
股間に……。
「バッハーーーーー!!!!!」
響く絶叫、砕ける眼鏡。
想像を絶する痛みが彼を襲ったのだろう、意味不明な断末魔を上げ崩れ落ちる啓太。
つーか、股間の衝撃がどうすれば眼鏡のレンズの破壊に繋がるのか物理的検証を誰か頼む。
「「ヒィッ!!!!」」
あまりの衝撃的光景に俺と『黄色』は互いに己の『ω』に良く似た部分を抑えた。
そして互いに顔を見合わせるのとゴトリと崩れ落ちた啓太の方に頭を向け直すのを2度3度。
俺と『黄色』との間に妙な連帯感が生まれた。
この痛みは同族にしか分からないだろう。
つーか、そこをピンポイントで狙ってきた外人さんに俺と『黄色』はただただ恐怖するしか無かった。
いやマジ…。
ブラック・モロよか100倍怖ぇわ……。
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