第九十六話
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第九十六話 博士のカレー
博士は研究室に戻るとカレーを作った、そのうえで小田切君達にも食べさせる。そのうえで小田切君にその味を尋ねた。
「どうじゃ、味は」
「はい、これは」
どうかとだ、小田切君はスプーンで食べつつ博士に答えた。
「かなりいいです」
「そうであろう、実はわしはカレーも好きでのう」
「スペイン料理やイタリア料理以外にもですね」
「そうじゃ、これも好物でじゃ」
それでだというのだ。
「自分でも作るのじゃよ」
「このカレーは和風だよな」
「そうだね」
ライゾウとタロもカレーを食べている、そのうえで話す。
「甘口のな」
「チキンカレーだね」
「カレールーも市販のやつでな」
「隠し味に林檎を入れてるね」
「そうじゃ、和風のカレーじゃよ」
実際にそうだとだ、博士は二匹に答えた。
「このカレーはのう」
「そうなんだ、やっぱり」
「和風なんだね」
「洋食のカレーじゃよ」
そうした意味で和風だというのだ、洋食は最早日本料理のジャンルの一つになっている。これが日本人の柔軟性であろうか。
「明治の時食べて見事だと思ってな」
「それでなんだ」
「今も作ってるんだ」
「そうじゃ、しかしのう」
ここでだ、また言う博士だった。
「カレーは多い、他のカレーも作って食べておるのじゃよ」
「じゃあ本場インドのカレーも」
「うむ、それもな」
作って食べているというのだ、インドのカレーも。
「ただインドに行ってもインド軍だのインド警察だのと戦いになるからのう」
「博士は世界で最も有名なマッドサイエンティストですからね」
小田切君も言う。
「世界中の軍隊と警察が敵ですよ」
「面白いことじゃ」
しかもそうした笑いごとでは済まされない状況も笑ってこう言う博士だった。
「だからインドではカレーと戦いを楽しんでおる」
「それと生体実験もですね」
「それは何処でもじゃよ」
何処でもならず者を捕まえればそうするのだ、特に博士に因縁をつけたヤクザ者が助かったことは一度もない。
「まあとにかくカレーもな」
「お好きなんですね」
「そういうことじゃよ」
「確かに美味しいですね」
博士の作ったカレーは美味かったりする、小田切君も今はカレーのその味を満足しつつ楽しむのだった。
第九十六話 完
2014・1・5
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