プロローグその1:デバイスは小包で届けられました
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なノリでとりあえず。
まぁ、公園に行ってする事無けりゃ、近くの模型屋でも寄ればいいやと思っていたし、とりあえず家に居るよりかは幾分かマシだろうと俺達は行く当ても無く適当にチャリを転がしていた訳である。
でだ。
そんな感じで適当の権化と化していた俺達の前に、突然何かが降って来た訳である。
降って来た、というか跳んできたと言った方が正しいだろうか。
ソイツは熊よりもデッカイ、体長3メートル以上はある真っ黒い犬っぽい何かだった。
分かりやすく言うと、もの○け姫に出て来る山犬(CV三輪さんの方)を墨汁の入ったプールにぶっ込んだみたいな感じ。
便宜上以降その黒い犬っぽい何かを『ブラック・モロ』と呼ぶ事にする。
ブラック・モロはその見た感じ凶暴そうな外観をしていたが、見たまんまだった。
ポカンとなってる俺達を睨んでグルルと呻っていたと思ったら、突然俺達に襲い掛かって来た。
貴重な少年時代を怠惰に過ごそうとしていた俺達に対する天罰だったとしたら、そりゃ余りにもエグいなぁと思った。
これに襲われたら冗談抜きに、死ぬって。
「「ぎゃああああああ!!!」」
と俺達は叫んで一目散に逃げ出す。
それ以外に何が有る?3メートルの巨大犬に喧嘩売れってか?馬鹿言っちゃいかんよあーた!
「何だアレ何だアレ何だアレ!!!???」
俺は壊れたCDラジカセみたいに同じ言葉を繰り返しながら目一杯チャリを漕いだ。
「知らん知らん知らん、知らんけどヤバいヤバいヤバい!!!」
啓太も同じようにチャリを漕ぐ、つーか速えぇなおい、俺置いてかれそうなんだけど。
そうして、俺達はブラック・モロからの逃走劇を始めた訳なのだが、この時俺達は辺りの様子が変わっている事に気がつかなかった。
平日の昼間の住宅街。
人の往来が少ないとは言え、ここはそれなりに人や車が往来する所である。
だが、この時は買い物に出かける主婦や、道路で遊ぶ連中の姿も見えなきゃ、宅配業者の車や暇そうな兄ちゃんが弄繰り回したマイカーをブンブン言わせて走り回る光景も一切無い。
まるで俺達だけが切り取られた世界の上にポツーンと取り残されたかのように、街の中は不気味なまでの静寂に包まれていたのである。
それに気がついた時には既に俺達の足がヤバい状態で、太腿に乳酸ってやつが溜まってパンパンになっていた頃だった。
時間にしておよそ10分くらい。
網の目のように広がる住宅街の路地を東西南北ただひたすら逃げ回り、もはやここが何処なのかも分からない状態であった。
というか、どこに逃げりゃ良いのか分からなかったと言った方が正しいだろう。
「なして誰も居ないの!?」
俺は涙目になりながら助けに来てくれるで
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