第十八話 壁はぶち壊すもの
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込む。
「あの人は自分の利益だけを考えているわ。利益を約束できれば裏切らないはずよ」
「しかし殿下。自分は・・・」
「話は後で。今はまず【暁の断片】を手に入れないと」
アーシェは突き放すようにそう言った。
そして吹き抜けの広間を見上げながら呟く。
「眠っているわ。地下の置く深くで」
「おわかりになるのですか?」
ウォースラは少し驚いた声でアーシェに尋ねた。
「・・・呼ばれている気がするの」
アーシェは自信無さ気にそう答えた。
一方セアはバッシュに気になっていた事を質問していた。
「なぁバッシュ。俺はダラン爺の推測を信じてここに来たんだが・・・ウォースラは何故ここに王女様達が向かっていると分かったんだ?」
「オンドール侯から聞いたと言っていた」
「ビュエルバの侯爵から?」
「そうだが・・・」
バッシュはセアが念押しに聞いてくることを不自然に感じながらも答えた。
セアは顎を手で掴み、思考に耽る。
(侯爵から聞いた? 侯爵は王女が王墓へ向かったことに気づいていなかったはずだ)
ということはウォースラは嘘をついているということだ。
では何故嘘をつく必要があるのか?
(そういえばウォースラがビュエルバから旅立つときになんて言っていた? 確か・・・別の道を探ると)
そこでセアは嘘をついている理由が解ってしまった。
武力以外でダルマスカ再興の道などひとつしかない。
外交である。そしてウォースラは交渉相手からアーシェ達が王墓へ向かったことを知ったのだ。
(また面倒事の予感・・・いや覇王の財宝を少しばかり頂けばもう王女達に付き合う必要はない・・・すぐヴァンとパンネロを連れてラバナスタに帰ればいいだけだ)
セアはそう考えそれを口に出さないことにした。
そう別にセアはダルマスカに限らず国の興亡に興味がないのだから。
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