第五十八話
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虹太郎
「あ、今月のパワスポ買ってないや」
ふと、本棚に目を移し、思い出す
パワスポは毎月15日発売
もう一週間が過ぎていた
虹太郎
「(それほど、同好会に夢中だったのか…俺)……買ってくるか」
私服に着替えて財布と鍵、携帯をポケットに入れる
準備を整え、部屋を出ると
茜
「あ、お兄ちゃん。出掛けるの?」
茜と鉢合わせた
虹太郎
「うん、商店街までな。パワスポ買ってくる」
茜
「そうなの?私もスポーツショップ行くから一緒に行こ」
と言うわけで2人で行くことに
商店街にはすぐに着くし、どこに何があるかも完璧に解る
虹太郎が『七橋』になってから1年が経っているが、この商店街はさほど変わらない
スポーツショップの前で茜と別れ、近くの本屋へ
大型店舗でないが品揃えは豊富な本屋だ
スポーツコーナーへ行くと、ちょうど最後の一冊が目に入った
運が良かった
そう思って手を伸ばしたその時
???
「あら?」
伸ばした右手が人とぶつかってしまった
虹太郎
「あ、すみません。…これですか?」
見ると大人の女性だった
30歳よりは下だろうか、綺麗な女性だ
女性
「あら、良いのよ。あなたが先だったんだし」
虹太郎
「いやいや、帰り道にコンビニあるんでそこで買いますから」
女性
「でも……あら?」
虹太郎
「?どうしました?」
女性
「あなた、もしかして七橋虹太郎さん?」
虹太郎
「…え?」
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