第6話
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長秀「しかし…あの方は一体、何者なのでしょうか?」
久遠「それは追々解ってくるだろう。結菜、奴はしばらくこの屋敷で預かる。世話をせい」
帰蝶「はいはい…全く…こうなるならもっと前に相談してくれても良かったのに。久遠はいつも唐突なんだから…」
久遠「我も忙しかった故、時間がなかったのだ。すまぬ」
帰蝶「もういいけど、次からはちゃんと私達に相談して頂戴よ」
久遠「うむ。それとな結菜。奴のことはお前自身がしっかり観察し答えを出せ。何かわかったら教えて欲しい」
帰蝶「了解。じっくり観察させてもらうわ」
久遠「頼む。それと奴が帰ってきたら、風呂を馳走してやれ。まぁすぐ帰ってくるだろうが念の為にな」
帰蝶「そっちも了解」
長秀「そう言えば、…昨今、市井では鬼による被害が多発しておりますが、あの方は、大丈夫なのでしょうか?」
久遠「市井に鬼が降りてきて、人肉を食らうっていうあれのことか…その後、どうなっておるのだ?」
勝家「目明しを使って調査しておりますが、詳しいことは分かっておりませぬ。それに使っていた目明し共が、次々と姿を消しておりまして」
目明しというのは岡っ引きのこと。諸役人の手先になって,私的に犯罪の探査,犯罪者の逮捕を助けたもの。主に江戸時代にその風格を現す。
久遠「殺されたというのか…?」
勝家「おそらくは…そうかと」
久遠「デアルカ…麦穂」
長秀「畏まりました。数人連れて、彼の人をお迎えにあがりましょう」
勝家「ふむ…では私も付き合おうか」
長秀「あら、鬼柴田様がご同行してくださるなら、千人力でございますね」
勝家「抜かせ。お前との対戦では今の所五分ではないか」
長秀「うふふ…ならば、これからも精進しなくては。壬月様に負けぬように、ね。では殿、行ってまいります」
久遠「うむ。では我はもう休む故、竜司のことは頼む。では明朝、評定の間で会おう」
勝家、長秀「「はっ」」
こうして、柴田勝家、丹羽長秀両名は、竜司を追うため、久遠の屋敷を後にするのであった。
帰蝶「久遠…くどいようだけど、本当にいいの?」
久遠「逆に聞こう。結菜よ、彼奴は我の命を狙う悪党だと思うか?」
帰蝶「それは…正直、そこまで危険な者とは、もう思ってないけど…私も少し話したけど、意志もはっきりしてたし…あなたみたいに…」
久遠「デアルカ。蝮の娘として、お前も様々な輩を見てきたはずだ。そのお前が危険を感じないのは、つまり」
帰蝶「安全だ…と言いたいの?」
久遠「安全かどうかはまだ判断しづらいが、危険はない。彼奴と話していて、我はそう確信した」
帰蝶「やれやれ…昔からそういうとこ、一瞬で見抜いちゃ
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