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戦国†恋姫 外史に飛ばされし者
第6話
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司「まぁ、これは俺自身の問題だし…もし信用するに値しなければ、帰蝶どの、そして勝家どのの言うとおり、ここを去りましょう。そしてもし、俺がほかの勢力についた場合。その時は問答無用でこの首…叩き切って頂いて結構だ」

帰蝶「そういうことなら…ねぇ、壬月」

勝家「はっ、それならば…問題はありませぬ」

久遠「わかった…。貴様が良いというのなら、我も構わん。ではこれで決まりだ。…良いな、皆の者」

勝家、長秀「「はっ!」」

久遠「家中への披露は明日行うとして…竜司、貴様も今日はゆっくりしておれ」

竜司「了解だ…だが、少し休ませてもらったおかげで、目が覚めてしまった。少し外をぶらついても構わないか?」

久遠「構わんが…もう夜だぞ?」

竜司「わかってる。まぁその辺を見て回るだけだ。すぐに戻る」


 散歩…というのは建前だ。この尾張の城下に不穏な気配を感じる。
だが、それを今、久遠たちに言えば、騒ぎになる。出来れば、一人で片付けたい。


久遠「ふむ…まぁ良いだろう。貴様の武ならば問題はあるまい。だがまぁ、気を付けていけ」

竜司「助かる」



 そういうと、静かに襖を開け、外へ出て行った。


久遠「やれやれ…落ち着かん奴だな」

勝家「よろしいのですか…殿?」

久遠「竜司のことなら、とうに決着は付いたはずだぞ」

勝家「それはそうですが…。しかしながら、奴はやはり得体が知れませぬ」

長秀「田楽狭間に突如舞い降りた、天より参りしあの御仁は…何故あの場に顕現したのでしょうか」

久遠「わからぬ。だが…」

勝家「だが…?」

久遠「奴が降りてきたおかげで我は助けられた。我とて、神や仏の類を信じはせんが、どうにも引っかかるのだ」

勝家「何かの縁があるとでも?」

久遠「縁があるのか、因となるか…しかし鬼が跋扈(ばっこ)するこの世で我らの道を切り開いた田楽狭間に顕現したということは、何かしらの意味があるのかもしれん。それにな。あの様な不明な現れ方をして、その力を我らに見せつけた竜司に霊験を感じる奴らもおろう。そのようなうつけ共に奴を取られれもしたらあやつの力を何に使われるかわかったものではないからな」

勝家「確かに…敵対勢力に渡ると、あやつはあぁ言ってはおりましたが、甚だ面倒になりますな」

久遠「そういうことだ。ああいう訳のわからん者は、手元に置いて監視か、管理…あるいは、やつの力を我らに取り込むに限る」

勝家「なるほど。それならば、いざという時、手元にあれば処分も容易いですな。…わかりました。そういうお考えなのであれば私も賛同致しましょう。麦穂の言うとおり、あれほどの使い手を他国に盗まれるのは、やはり我が国の損失でもありますからな」


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