第6話
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撃を掻い潜ってのあの身のこなし。此奴は明らかに草としての訓練を受け、しかもかなりの腕前と見ます。殿のお側に置いておくには危険すぎます。身中の毒となる可能性が高い、と判断いたしました」
久遠「デアルカ…麦穂はどうだ?」
長秀「私は…その…」
長秀は、先程から部屋の片隅で座る俺をチラ見し久遠に向き直す。
長秀「…身のこなしから見てかなりの使い手。…となれば夫云々を抜きにして、久遠様の側仕えとして使うのならば宜しいのではないでしょうか?」
勝家「な…麦穂っ!?貴様も反対だったのではないのか!?」
長秀「無論、今は不明な点が多すぎるため、判断しかねますが、我らが殿を救っていただいたのは事実です。そう…悪い者ではないとも思いますし…それに壬月様。これほどの使い手を他国に追いやるはお家にとってご損ではありませんか?」
久遠「結菜。お前はどうだ?」
帰蝶「…正直まだ認める訳にはいかないわ。この者が何を考えているか真意が読めない。今はその気がなくても、いずれ久遠の障害になるかも知れない。母道三が美濃でやったように、この下克上の時代、不明の者をそばに置くには細心の注意を払ったほうがいい」
竜司「ふっ…はっきり言ってくれる」
まぁ実際その通りだ。
今は戦国の世。下克上なんてものは当たり前に起きることだ。勝家、そして帰蝶はそれを避けるため、久遠を守るためにこの態度をとっている。
久遠「やけに冷静だな。貴様は…」
竜司「まぁ、俺が考えてたとおりの反応だったし、二人の言も間違っていない。現時点でその二人に認められる材料はもう持ち合わせていない…なら後はどうするか…。俺が出て行けば丸く収まる話だ。違うか?」
久遠「まぁ、貴様の言うことも最もだが。我は貴様を手放すつもりは毛頭もない。それに…壬月、結菜。先程約束したな。こやつに少しでも認められたところがあれば、口出しはさせんと」
勝家「は…」
久遠「体捌きと機転、そして気の使い方を認める発言をしたな、壬月」
勝家「は…」
久遠「ならばそれは認めたということだ。…今後、竜司に対して口を出すこと、まかり成らん」
勝家「し、しかし殿!」
久遠「くどい!約束は守れ」
勝家「は…」
久遠「結菜、お前もだ。良いな?」
帰蝶「嫌よ。…この人が信用できると判断するまで、私は疑いの眼差しを持って接するつもり。それが妻の役目だから」
久遠「貴様は…」
竜司「それで構わない」
久遠「何…?竜司…」
竜司「ようはこれからの俺の行動で信用させればいい。逆に言えば、そうすれば、今の態度は変わるわけだ。違うか?帰蝶どのよ」
帰蝶「……」
久遠「良いのか?貴様はそれで」
竜
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