第6話
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なかった。そして草の真似事も得意なようで…」
久遠「中々良い武者振りであろう?」
勝家「怪しすぎるに決まっているでしょう!」
まぁ確かに傍から見れば十分怪しいだろう。
自慢げに問いかける久遠とは逆で、勝家は先ほどよりも警戒心を強めるばかりである。
竜司「やりすぎた…かな?」
久遠「ふむ…だが貴様も申したではないか。我が認めた者なら、あの奇襲も難なく対処できるであろうと。そして、此奴は貴様達が申した通り、簡単にあしらった。現に貴様ら二人は手も足も出なかったであろう」
竜司「まぁ…俺は勝家どのの反応は最もだと思うけどな。出生も分からず、摩訶不思議な現れ方…そして奇々怪々な能力…あげく、忍びのようだと思われようものなら、こう思うだろうな。どこかの国の間者ではないか…はたまた、久遠。君に取り入って織田家に乗り込んだ挙句、内部を怖そうとする者ではないか…現時点でその方が俺を信用に至る謂れはないだろう」
久遠「一応問うが、貴様はその間者なのか?本当にそんなことを考えているのか?」
竜司「誓っていうが、勿論俺はそんなことには興味はないし、するつもりも毛頭ない。そしてどこかの国の間者でもない」
久遠「デアルカ…」
竜司「だけど…」
この二人はおそらく、久遠の家老…思うに、久遠が帰蝶の次に信用しているであろうことがわかる。そんな二人が警戒しない訳が無い。
竜司「さて…じゃあ丁度いいか。織田家の中心二人と帰蝶どの、そして久遠どの。役者は揃った。改めてどうするか決めるとしようか」
久遠「我に決めろというのか?」
竜司「元々久遠が帰ってきたら改めて決めると、帰蝶どのにも言われていたし、俺がここにいようにも、他の者達のこと、久遠どのの事情すらも分かっていない。そして口出しをする権利もない」
久遠「なんでも見透かしてる風な口だな」
竜司「さてね。俺は君の言っていたことを実践したまでだ」
久遠「何をだ?」
竜司「その者の目を見れば、嘘か真実か…何を考えているのかがわかるってね。俺はただそれをやってみたに過ぎんよ」
久遠「本当に食えん奴だ」
竜司「褒め言葉としてもらっておくさ。まぁ正直俺はどちらでもいい。目的は鬼の駆逐。それさえ成し遂げれば、後は野宿でもここに世話になるでもどうなっても構わない。だから後は久遠がどうしたいかは、そちらのお三方と話し合って決めてくれ」
久遠「ふむ…まぁ良いだろう。壬月、麦穂。そして結菜、貴様らの結論を言え」
勝家「即刻、追放すべきかと」
久遠「その理由は?」
勝家「試してみて、この男が更に不審に思えた故」
久遠「それはどの辺りがだ?」
勝家「初撃を躱した知恵の回り方。そして麦穂の一
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