第四十七話 思春期@
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「えーと、並行世界? アニメとかでよくある設定の」
「設定言うな。言っただろ、お前が元いた場所だって別の世界から見ればファンタジー満載なところなんだよ」
「……はぁ。結局よくわからんが、転生するって大変なんだなー」
「お前、自分で聞いといて絶対に話半分だろ」
白い空間で何やら作業をする死神を見ながら、俺は暇つぶしにきょろきょろと辺りを見渡していた。だけど、どこを見ても何もない空間にすぐに飽きてしまった。忙しそうにしているが、暇つぶしに話しかけてしまったのは仕方がないことだろう。
話しかけた内容は、俺がなんとなく気になっていた疑問。どうやって別の世界に行けるの? とか、なんでリリなのなんだ? とかだ。絶対に必要な情報ではないだろうが、気になってもおかしくはない問いかけだと思う。ちなみにその質問の答えが、並行世界がなんたらかんたら…、だった。正直意味がわからん。
「次元の海によって世界が繋がっているおかげだ。お前が知っている原作通りの世界もあれば、その原作とはまた違った未来を歩んだ世界もある。お前が行くのは、そんな世界の内の1つだな」
「えーと、繋がっていると行きやすいってことか?」
「『次元世界』には、並行世界の概念がある。次元空間を行き来できるということは、つまり世界の壁の流動が小さく、外部の影響を受けやすい。人の力で制御して渡れることでさらにその力が……。簡単に言うと、世界にはそれぞれ壁があるんだが、その壁が次元世界では渡りやすい、でもう覚えておいてくれ」
話の途中から遠い目をするようになった俺のために、簡単にまとめてくれました。いや、俺ももうちょっと頑張ろうと思ったんだけど、これ突き詰めれば理数だよね。拒否反応がすごくて。結局よくわからなかったが、リリなのの世界というか、次元世界という場所は渡りやすいらしい。これでいいか。
「お前の転移も、一応この概念を利用したものなんだが。……ちゃんと理解しておいた方がいいと思うけどな」
「え、えーと、どこでもドアみたいな能力認識じゃダメなのか?」
「……お前がそれでいいなら、いいけどよ」
今度は死神に遠い目をされました。
「うーんと。つまりこの場所から渡りやすいのが、『リリカルなのは』の世界だったから、俺はそこに転生できる……ってわけでいいのか」
「まぁそれでいいよ。あとはその『転生』という概念も存在するからだな」
「転生の概念?」
「あぁー、言い方を変えると『記憶の継承』だ。次元世界の生き物だからこそできることだ」
……次元世界の生き物ならできる? それって、俺がもともといた世界じゃできないということなのだろうか。でも、あそこには俺のいた世界とほぼ同じ人種や文化があった。次元世界だからこそ、という言葉に俺は首を傾げた。
「そ
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