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少女1人>リリカルマジカル
第四十七話 思春期@
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期でそれなりに身長が伸びたからな。さすがに5歳児に押し倒されません。

 彼女の姉であるアリシア・テスタロッサは、現在友達と遊びに出かけてしまっている。先ほどまでリニスと修行していたみたいだが、どうやらそれが終わったらしい。この子は構ってほしいときは、とことん甘えてくるのだ。

「って、こらウィン! いきなり人の背中に乗っからない。人によっては、ぎっくり腰コース一直線だよ!」
「その時はウィン自慢の電気りょーほーにおまかせ! 低周波や高周波、さらに干渉波も組み合わせたスペシャルコースへいらっしゃーい!」
「家の妹が年配の方に人気な理由が明らかに!?」

 俺よりも高度な電気のコントロール技術を用いる、テスタロッサ家の次女にして末っ子。俺とアリシアの妹であるウィンクルム・テスタロッサは、今日も元気なようです。

「ところで、ウィンさんや。そろそろ俺の背中から降りてくれないかい?」
「うー、いやじゃー」
「…………喰らえ、テスタロッサ家の必殺技! お兄ちゃんタイフーンッ!!」
「きゃァーー!」

 俺は椅子から立ち上がると、ハリケーンのごとくリビングで回転してみた。それに俺の首元へ妹がギュッと抱き着き、楽しそうな叫び声が家に響き渡った。テスタロッサ家の長男である、俺ことアルヴィン・テスタロッサもいつも通り元気に過ごしております。



******



「にぃにー、宿題終わった? もう少し?」
「あー、あとちょっとだよ。しかし勉強すればするほど、ミッドがオーバーテクノロジーな世界だと改めて感じるなー」

 よっこいしょ、と俺は妹を背中から降ろして、こっていた首を回しておく。ウィンも俺の大回転に満足したのか、素直に降りてくれた。どうやら俺の宿題が終わるまで待っていてくれたらしい。寝てしまっていたのは悪かったな。

「別の世界へと渡る能力を持っているってことは、現在最も魔法技術があんてーして栄えている世界ということだもんね。ミッドはすごーい」
「……現在の俺としては、妹がすごーい」

 精神年齢は5歳児のウィンクルムだが、その魔力と知識は比べ物にならないぐらい豊富だ。Sランクの魔導師である母親、プレシア・テスタロッサが生み出した使い魔。彼女は術者の知識と技術を受け継いでいるのだ。

 それだと母さんの力かもしれないが、この子は受け取ったものを自分なりに使いこなそうと頑張っていた。知識や技術があっても、それを使いこなせなければ、理解できなければ、すごくもったいない。だからウィンは、母さんからの贈り物を自分なりに用いていた。

 電気の魔力変換資質を使って、母さんのためにマッサージの療法を勉強した。知識もすぐに引っ張り出せるように、本や情報をさらに自分で取り込んだ。その努力は、間違いなく母さんだけで
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