第五十四話 コンビニの前その三
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「それにしようぞ」
「ではそれで」
「?ろく子さんが買って来てくれるのか」
「はい、そのつもりですけれど」
「いやいや、それには及ばんよ」
博士は笑ってそれはいいと返した。
「わしが自分で行く」
「そうされますか」
「それ位は行かぬとな」
コンビニまではというのだ。
「自分で歩いてのう」
「それも健康のうちですね」
「歩かねばな」
つまり運動をしなければというのだ。
「身体によくないからのう」
「だからですね」
「ろく子さんは今晩は図書館で休むのじゃな」
「そうですね、ここにいてもいいのですが」
ろく子は知的な笑顔で博士に応える。
「それもいいですね」
「まあその辺りは自分で考えてもらいたい」
「わかりました」
ろく子は眼鏡の奥の目を微笑まさせて博士に応えた、愛実と聖花はそのやり取りも見つつ二人で決めたのだった。
「じゃあ今日は遅いけれどね」
「それでも行こうね」
「出来れば早いうちに寝て起きてから行く?」
「二時よね、コンビニの前に」
「聖花ちゃん朝早いでしょ」
愛実は聖花を気遣ってそうしようというのだ、パン屋は朝早く起きてパンを焼かなくてはならないのだ。だから聖花の朝はいつも早いのだ。
「だからね」
「それでなの」
「二時だったら行って帰ったらいい時間でしょ」
「ええ、ちょっと寝てね」
「だったらね、ちょっと寝てから行ってもね」
いいだろうというのだ。
「そうする?」
「ええ、それじゃあ」
聖花も愛実のその言葉に頷いて答える。
「そうしようね」
「それでね。こういう時すぐに寝られて起きられる体質って便利よね」
「そうよね」
二人共そうした体質だ、愛実も聖花も寝ようと思えばそれこそ瞬時に寝られて何かあればすぐに起きて覚醒出来るのだ。だから二人は夜に泉を探して昼に学校に通っていても睡眠時間は然程短くはないのである。
「休み時間すぐに寝られて」
「お家に帰ってもだからね」
「身体休められてるから」
「大丈夫なのよね」
「寝ることは大事じゃよ」
博士は二人にもこう言うのだった。
「睡眠時間はそれぞれじゃがのう」
「一睡もしないのはよくないですよね」
「徹夜は」
「絶対に駄目じゃ」
博士はは丸一日寝ないことには駄目出しをした。尚博士は医者でもあり薬剤師の資格も持っている。
「それはな」
「やっぱりそうですよね」
「人間寝ないと」
「さもないと身体にガタがきますから」
「寝ることも大事ですよね」
「アインシュタインは十二時間は寝ておった」
この偉大な学者はかなり寝る方だったのだ。
「寝ておらんかったヒトラーやスターリンの健康はよくなかった」
「別に不健康でもいい人達ですね」
「むしろ早く死んでくれた方がいいですね」
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