暁 〜小説投稿サイト〜
久遠の神話
第七十八話 選挙の結果その十二

[8]前話 [2]次話
「これから」
「共和党はこれで終わりではないですか」
「まだまだです」
「そうなのですね」
「政党もまた変わっていくものです」
 万物は流転する、政治も政党もまた然り。
「よく変わる場合もあれば悪く変わる場合もありますが」
「今はですね」
「よく変わるべき時でしょう」
「それはネオコンがいないという意味ですね」
「より広範囲にかつ的確に国益を見て動いていく」
 そうした政党になるべきだというのだ。
「さもないと野党のままです」
「再生は彼等の為でもありますか」
「そして彼等が二大政党の片方であるアメリカの」
 彼等の国の為だともいうのだ。
「その為でもあります」
「そうですか」
「ですから。民主党支持者としてもです」
「共和党の再生を願われますか」
「合衆国の為にも」
 こうテレビを観ながら少尉とスペンサーに話すのだった、そうして。
 テレビを観終わりだ、そのうえで二人に言った。
「少し外出してきます」
「あっ、お食事ですか」
「そうです」
 それに出るとだ、少尉に答える。
「ですから」
「わかりました、それじゃあ」
 少尉もスペンサーの言葉に頷いた、そうしてだった。
 曹長と共に彼を敬礼で送った、スペンサーも返礼してそのうえで外に出た。領事館から暫く歩き八条駅の裏手に来た。 
 駅の裏手は丁度商店街の裏手だった、人通りの多い場所の裏手は案外人が少ない、今は誰もいない程だ。
 その誰もいない場所に来るとだ、その前に。
 女神達が来た、中央にいる聡美が彼に告げた。
「選挙の結果がわかりましたね」
「はい、おそらく明日にでも」
「今すぐではないのですね」
「明日ですね」
 その時はというのだ。
「私に達が来るのは」
「ではですね」
「はい、明日またお会いしましょう」
 その時にだというのだ。
「そうしましょう」
「わかりました、それでは」
 聡美もスペンサーの言葉に頷く、今彼が外出したのは女神達にこのことを伝える為だったのだ。そのことを伝え。
 彼は微笑みと共に聡美にこうも言った。
「明日またお会いしましょう」
「そしてその時にですね」
「私は戦いを降ります」
 まさにそうするというのだ。
「貴方の望まれる通りに」
「そうされますか」
「ではその時に」
 再び言うスペンサーだった、そうして。
 彼はハンバーガーショップで食事を済ませそのうえで領事館に戻った、後は日常のままだった。しかしその日が来ることはもう確実だった。


第七十八話   完


                    2013・8・12
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ