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鉄槌と清風
63部分:62:懐かしき場所/新たなる思い
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 「できる限り保護します、戦闘機人でも普通に生きられる事を知ってますから」

 良彦の問いにティアナが答え、そこへ

 「なら、良く相談しとけ、一番戦闘機人と交戦してるのは多分、お前らだ…お前らを先に狙ってくる可能性も高いからな」

 ヴィータが言い含める。

 「んだなー…俺らも手が足りてれば助けにいけるけど、次は前回以上に大きく動くだろうからな、自分の相手は自分で保護なりしてやってくれ」

 苦笑交じりに良彦が、言って部屋を出る、その背中に

 「「「了解」」」

 と声が掛かる。



 アースラ食堂の一角、良彦とヴィータ、セプトが座ってお茶を飲んでいる。

 「次やばかったら、ユニゾン早めに頼むなセプト、AMF濃いとどうしても『凪』が鈍る」

 「うむ、任せておけロードを助けるが、融合騎の仕事ゆえな」

 「あたしが近くに居ない時はセプトが頼りだかんな」

 3人でそんな事を言っていると、艦内に一斉通信が流れる。
 地上本部肝いりのアインヘリアル…魔導師に頼らない対犯罪者用の兵器らしい…の、1〜3号機が戦闘機人により無力化され、破壊されたと言う報告。
 さらに、ヴェロッサからはスカリエッティのアジト発見の報告と、そのアジト近くから飛び立った巨大艦船の報告が送られてくる。

 以前ユーノが調べてくれていた、『聖王のゆりかご』と呼ばれる古代ベルカの超兵器だろう、これについてはカリムの予言から一応は気にされていたが、実際に出て来たのには驚いた。
 ユーノの調べでは、軌道上のあるポイントまで上がると地表攻撃や、もしかすれば次元跳躍攻撃も可能で、1隻で次元航行艦隊とも遣り合える可能性があるそうだ。

 「…でけーな、ありゃ」

 「あぁ、でけー…でも、上がらせちゃ、まずいんだよな」

 ウィンドウを見ながら呟く良彦とヴィータ、そこでウィンドウの映像が切り替わる。
 スカリエッティが映り、『聖王のゆりかご』の復活を宣言し、さらにゆりかごの内部か、豪華な椅子に座ったヴィヴィオが映る。

 ヴィヴィオは泣き叫びながら腕を椅子にロックされ、魔力を吸われているのか腕の上辺りに球体が2つ浮いている、そのそばには眼鏡をかけ、戦闘機人のスーツに身を包んだ女性と。
 大きな砲塔を近くに置いた女性がチラッと映る。

 「趣味がわりー…な、こりゃ」

 「やろー、こんな事の為にヴィヴィオをつれてったのか」

 映像の中では、ヴィヴィオを【聖王】と呼び、その復活もうたっているようだ。

 「行く場所は決定だな…」

 「…あぁ、あの船を止めて、あいつらぶちのめす」

 良彦とヴィータ、顔を、見合わせ頷く。

 「我もあれは気に入らんな、全力でロード良彦の力になろうぞ」

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