連合軍、集結!
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けど、別に好きだとかそんなのじゃないから。勘違いしないでよ」
淡く頬を染めてぷいっとそっぽを向くと、ティアはヴィーテルシアに乗った。
椅子代わりとなっているが、ヴィーテルシアは全く文句を言わない。
「で、僕の質問に答えてよ」
「・・・何だったかしら」
「だーかーらー、2人がどんな関係かって聞いたんだよぉ!」
忘れないでよーっ!と頬を膨らませて怒るルー。
こんな動作が多いから、女と勘違いされるのだろう。
「・・・ただの、幼馴染」
視線を上げず、ティアは言い放つ。
その声は至って冷淡だが、それを知らないナツ達は驚愕する。
「幼馴染!?僕初耳だよ!?」
「俺もだ。何でそんな面白そうな事隠してたんだよティアァーっ!」
「別に隠してた訳じゃないわ。聞かれない事には答えないだけ」
面倒くさそうに顔を背け、ティアは淡々と呟く。
「ジュラ・・・あたしでも聞いた事ある名前だ・・・」
「妖精は7人、ペガサスは4人でしたね。私達は3人で十分ですわ」
「むぅぅ〜・・・」
シェリーの嫌味にルーシィは唸る。
「これで3つのギルドが揃った。残るは化猫の宿の連中のみだ」
「確か化猫の宿は2人だと聞いてまぁす」
一夜の言葉に騒然とする連合軍メンバー。
「2人だと!?こんな危ねー作戦に2人よこすってのか!?」
「ちょ・・・ちょっと・・・どんだけヤバい奴が来るのよぉ〜」
来るのはたった2人。
相手はバラム同盟の一角を担うギルド。
つまり、そんな少ない人数となればかなりの強者だと想像するだろう。
――――と、誰もが考えた、瞬間。
「きゃあっ」
たったった・・・という足音と共に、小さい悲鳴に似た声が響いた。
「だ、大丈夫?」
「うん・・・平気だよ」
走ってきた藍色の長髪の少女が盛大にコケ、ミントグリーンの髪をサイドアップにした少女が手を差し伸べる。
「あ・・・あの、遅れてごめんなさい」
コケた少女がパンパンと服の埃を払い終えると、2人の少女は自己紹介を始める。
「化猫の宿から来ました、ウェンディです」
「同じく化猫の宿の、ココロ・アーティリアです」
「「よろしくお願いします!」」
声を揃え、2人は同時に頭を下げた。
「子供!?」
「女!?」
来たのが子供だった為、既に集まっていた連合軍メンバーは目を見開いて驚愕する。
「ウェンディ?ココロ?」
その名前に聞き覚えがあるのか、ナツが小さく呟く。
「・・・ウェンディ・・・ココロ」
かつて見た夢で聞こえた名前。
それを思い出し、ティアは細い声で呟いた。
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