3話
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「あんた達が一緒に降りてくるなんて珍しいわね。」
階段下にいたお袋が驚きながら言った。
「たまにはあるさ。なぁ。」
「うん。」
「ほら、桐乃もこう言ってることだし。んなこといいから、飯飯」
桐乃を完全に味方にしたつもりで、強気で言った。
「はいはい、用意してあるから座って。お父さん待ってるから。」
少し呆れてるような感じがした。
「今何時?」
ふと、今の時間が気になり、お袋に聞いた。
「えーと、7時間40分くらい」
不思議そうな顔をしたが、すぐに教えてくれた。
「ありがと。」
「あ、そうそうお父さん。京介ったら朝私に『桐乃って昨日の晩と比べて変わったよな。』って聞いてきたんですよ。人が一晩で変わるわけないのに。」
席に着いた瞬間、お袋は開口一番笑いながら親父に言った。
「桐乃が変わった?何を言ってるんだ。」
「親父にお袋。あれは俺が寝ボケてただけだって。」
これ以上この話をしたくないからごまかした。そうしていたら、桐乃が服の端をクイックイッ、と引っ張って、小さい声で話し掛けてきた。
「兄貴兄貴。」
「ん?なんだ?」
「なんでごまかすの?」
「あれって?」
「ブ…云々。」
「あ…」
分かってくれた。
「お前も言われたくないだろ?」
「うん。それと、何で言うのやなの?」
「そりゃ、お前をもう泣かせたくないからな。」
「え」
「だから言いたくないんだよ」
「そっ…か」
少し頬が赤らんだ気がした。
「おう。てことだから言うのがやだってことさ」
「その…ありがと…ね」
モジモジしている。
「ほらほらあんた達、話してないでさっさと食べて。遅刻するわよ。」
桐乃と話していて、食べるのを忘れていた。これでは、本当に遅刻してしまう。
「お、そうだな。」
「兄貴。今日家に帰ってきたら、話あるから、どこも寄らずに帰ってきて。」
「おう。つーか、今じゃあかんのか?」
「うん。帰ってきてからが良い。」
それならしゃあないか。
「了解。」
―数分後―
「行ってきまーす。」
「桐乃ー。一緒に行こー。」
「いいよ。んじゃ兄貴、忘れないでね。
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