―悪魔の囁き―
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ものの……我慢できないとばかりに叫びだした。
「何でこんなデュエルをする必要があるんだ! 楽しくともなんともないデュエルを……何で!」
十代の心からの叫びが地下通路に響き渡り、遊矢もそんな十代を見て目を伏せる。しかし、遊矢にもデュエルをやらなくてはいけない理由がある……たとえ悪魔の手のひらで踊っていようとも。
「……明日香が……人質にされてるんだよ……」
「明日香が……?」
天上院明日香はマルタンの姿をした悪魔に捕らえられ、命を握られていると言っても過言ではない状況にある。救うためには十代とデュエルをするしかない……そう、マルタンの姿をした悪魔に脅迫されているのだと、遊矢は十代に説明した。
「だから本気で来い! お前が俺を本気で倒さなければ明日香が死ぬぞ!」
自らの力不足でこのような最悪な状況になっている、という感覚に苛まれながらも遊矢は鬼気迫る表情で十代に叫ぶ。――今の十代に知る由はないが、遊矢は佐藤先生やプロフェッサー・コブラと並ぶ……黒幕からの刺客も同然なのだから。
「……くそっ! カードを一枚伏せ、ターンエンド!」
やりきれない気持ちを毒づきながらも、負けるわけにはいかない十代もターンを進行する。コンタクト融合体であるストーム・ネオスは、フィールド魔法《ネオスペース》の効果によりフィールドに留まり続けることが出来る。
「俺のターン、ドロー!」
対する遊矢も明日香の命が人質にされている以上、このデュエルで十代に勝つしかない。ラッキーカードたる《パワー・ツール・ドラゴン》は破壊されてしまったが、彼には未だ手札がある。
「俺はカードをセットし、《ブラスティック・ヴェイン》を発動! セットカードを破壊し二枚ドロー!」
ただセットカードを破壊するだけでは、この魔法カード《ブラスティック・ヴェイン》は手札交換の魔法カードにしかならない。しかし、もちろんと言うべきかフィールドには一陣の旋風が巻き起こっていく。
「破壊したカードは《リミッター・ブレイク》! デッキから現れよ、《スピード・ウォリアー》!」
初手の《バックアップ・ウォリアー》の召喚の布石以来の登場となる、遊矢のマイフェイバリットカード、《スピード・ウォリアー》。ただ召喚されるだけならば、ネオスにすら匹敵するそのサポートにより驚きはしないのだが……十代が驚愕したのが、スピード・ウォリアーが攻撃表示だという点。
遊矢は先のターン《パワー・ツール・ドラゴン》の効果により、先んじて対切り札用の装備魔法《バスターランチャー》を手札に加えてはいたが、その効果による上昇値は2500。破格の数値ではあるものの、それでは《ネオスペース》で強化されたストーム・ネオスには適わない。しかし遊矢の《スピード・ウォリアー
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