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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―悪魔の囁き―
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「明日香をっ……返せ……!」

 遊矢の精一杯の声に、悪魔は相変わらず薄く笑みを浮かべながら答えた。

『遊城十代を出来るだけ追い込んでデュエルすれば返してやる』――と。

 それはまさに悪魔の囁きだったものの……その時の遊矢に、断ることなど出来はしなかった。

 ――そして冒頭へと戻ることになる。行方不明のアモンを除く三人の留学生が、マルタンがけしかけた悪魔と生徒を合成したモンスターとデュエルしている時と同時刻、『一人で地下迷宮に来るように』と条件をつけられた、十代の相手である。

「あんまりゆっくり話してる時間はないんだ……行くぞ、十代!」

 十代の質問には答えず、遊矢は急ぎデュエルディスクを展開する。明日香には何よりも、時間がないこともあるが……理由を知ってしまえば、十代は必ず手加減してしまうだろうから。

「くそっ……やるしかないのかよ……」

 対する十代も、生き残った生徒たちの代表として、勝たねばならない理由がある。その顔を苦々しく歪めながらも、デュエルディスクを展開し、双方ともデュエルの準備が完了する。

『デュエル!』

遊矢LP4000
十代LP4000

 ……かくしてお互いがお互いのポリシーである、『楽しいデュエル』などと思うことすらせず……悪魔の手のひらの上でのデュエルは始まった。

「……俺の先攻。ドロー」

 先手をデュエルディスクが選んだのは十代。まだ挙動には迷いがあり、訝しい顔をしながらカードをドローする。

「俺は《E・HERO クレイマン》を、守備表示で召喚して、ターンエンド!」

E・HERO クレイマン
ATK800
DEF2000

 粘土の体をした守備に長けるヒーロー。クレイマンを守備表示で召喚したのみで、十代はターンを終了する。

「俺のターン、ドロー!」

 対する遊矢は気迫を見せながらカードを引く。体力は限界に達しているものの、ここで気を抜いて倒れる訳にはいかない。

「速攻魔法《手札断殺》を発動! お互いに手札を二枚捨て、二枚ドローする!」

 初手からの積極的な手札交換を図り、お互いに二枚の交換を成功させる。十代は墓地にE・HEROを送ることに成功し、遊矢は……フィールドに一陣の風が舞い込んだ。

「俺が捨てたのは《リミッター・ブレイク》! デッキから守備表示で現れろ、マイフェイバリットカード! 《スピード・ウォリアー》!」

『トァァァァッ!』

スピード・ウォリアー
ATK900
DEF400

 守備表示だが、一ターン目から現れるマイフェイバリットカード。もちろんこれで終わるはずもなく、遊矢の行動はさらに続く。

「《ミスティック・バイパー》を守備表示で召喚し、これで俺のフ
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