第2章 赤龍帝と不死鳥の騎士団
第20話 これが私の全力全壊
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「でも、それでも、私は、負けないッ!」
なおも続ける。ここで倒れるわけには、いかない、と力を込めて叫ぶ。
部長の恩義にこたえるため、大好きなみんなを守るため。
「風は空に、星は天に、輝く光はこの腕に、不屈の心はこの胸に!」
ブフォッ、とはやてが噴き出す声が聞こえた。
れ、レイジングハート?という呟きも聞こえる。
よくわからないがチャンスだ。
「受けてみて!これがわたしの全力全壊ッッ!!」
全速力で接近し、驚愕の表情を浮かべるはやてに向かって掌底を放った。
この掌底こそ子猫のとっておきだった。
短時間で成果をあげるため、といってザフィーラから一つの技を集中的に磨くように勧められた。
その言葉に従い、子猫は一番自信のあった掌底を集中的に鍛え上げたのだ。
その成果が、この一撃である。
ぐほっ、と女の子が言ってはいけないような声をあげて吹っ飛ぶはやて。
この模擬戦で、初めてはやてにクリーンヒットを与えた瞬間だった。
「や、やった!」
「ナイスよ、子猫!」
喜ぶ子猫に、リアスもねぎらいの言葉をかける。
他のグレモリー眷属も初めての快挙に声援を送っていた。
「やってくれたね、塔城さん……さっきのセリフはどこで?」
「ヴィータさんです」
ヴィータ姉ぇ……、と何とも言えない顔をするはやて。
さきほどのセリフは、ヴィータが教えてくれた言葉だ。
訓練中ザフィーラにいいようにあしらわれて、消沈していた子猫に近づいてきたヴィータは語ったのだ。
とある魔法少女の不屈の心の物語を。
子猫はその物語に感動した。少女の不屈の魔道に胸を打たれたのだ。
感動した結果が、先ほどのセリフとともに放った掌底、名付けて「スターライトブレイカー」である。
この必殺技を告げた時、またはやてが噴出したが何かあったのだろうか。
ちなみに、むきになったはやては、次の模擬戦で、開幕早々広域殲滅魔法を発射して、ワンターンキルをしていた。
「マスター、彼女たちにいきなりデアボリックエミッションを放つのはあんまりじゃないですか?」
「いや、まあ、ヴィータ姉のせいだよ、うん。そっかー、魔法少女リリカルなのはに一番感動していたのって、ヴィータ姉だしねえ……」
と、あきれ顔のリインフォースに小言を言われるはやてを見ながら、はやてに一撃を入れたスターライトブレイカーを鍛え上げようと決心する子猫だった。
◇
――時刻は、夜十一時四十分を過ぎる頃だった。
ボクは、家族と旧校舎にあるオカルト研究部の部室にいる。
各々のアームドデバイスを起動し、騎士甲冑を展開している。準備は
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