第2章 赤龍帝と不死鳥の騎士団
第20話 これが私の全力全壊
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いのではないか、とリアスは考えていた。
それも当然だろう。
なにせ彼女は、シグナムから槍術を、
ザフィーラから格闘術を、
ヴィータからは戦術眼を、
シャマルからは回復術を、
リインフォースからは魔法全般を、
それぞれから吸収してきたのだから。
シグナムは剣士だが、永きにわたる戦の経験もあって、武芸一般に通じていた。
最初は半信半疑だったはやても、その見事な槍裁きに瞠目したほどである。
その実力は、彼女に師事したはやての槍裁きをみれば明らかだった。
ではなぜ、はやて一人と全員で戦っているのか。
それは、ライザー・フェニックスを一対多で追い詰めるためである。
シグナム曰く、ライザーの取り巻きの眷属クラスなら、すでに容易く勝てる、とのこと。
ゆえに、はやてをライザーに見立てて、格上との戦いの経験を積ませるともりだった。
「くっ、騎士のボクが切り合いで負けるなんて……」
悔しそうな顔を浮かべる木場悠斗をみて、さもありなん、と思う。
子猫は格闘戦で負け、一誠は力比べで負け、朱乃は空中戦で負けた。リアスの砲撃戦でも勝てなかった。
リアス本人も、はやてがここまで強いとは考えていなかった。
とっておきの必殺技といってよい「消滅の魔力」を放ってさえ、敵わなかったのだから。
ボクは、近接戦闘もできる万能型だが、本来は、攻勢後方支援タイプなんだよ、としれっといわれて絶句したのは、つい先ほどのことである。
絶対ライザーより強いだろ、とリアスだけではなく他のグレモリー眷属も心の中で思っていた。
「俺たちは、後衛タイプの八神さんに接近戦で負けたのか」
絶望的な表情を浮かべる一誠。
幻想空間にて、なまじ経験を積んだことで、余計に実力差がわかってしまった。
『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』という規格外の神器を宿していながら勝てなかった。
だが、この中で一番進歩したのもまた一誠だろう。
幻想空間での苛烈な特訓によって、はやてと数合なら打ち合えるほどになったのだから。
たった数合とはいえ、まったくの素人だった彼からすれば、大きな進歩といえる。
「さあさあ、休憩は終わり。合宿残りも少ない。仕上げといこうじゃないか」
◆
塔城子猫は、戦慄していた。
『戦車』として転生し、グレモリー眷属となってから、格闘術には磨きをかけてきた。
にもかかわらずザフィーラには全く勝てなかった。
いや、彼はまだいい。格闘戦タイプなのだから。
それよりも、後衛タイプの八神はやてにまで勝てないとは、どういうことか。
たしかに、ザフィーラよりは劣っていることはわかる。
だが、子猫よりは上だと断言できた。
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