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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
エピローグ
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言っているのだろうか、と思ったが、つい先ほど自分の戦っている姿を見られたことを思い出した。

「俺は……強くなんかないよ」

 高町のように優れた魔力資質があるわけでもない。彼女は資質が並みの魔導師よりも偏り過ぎているとも言えるが、小さくまとまっていると言える俺よりは良い。
 総合的に高い状態なら優秀だが、平均レベルなら器用貧乏だと言えるだろうから。まあ不得意なことがないという意味では、デバイスのデータを取る場合はプラスだろうけど。
 それに……俺には高町のような強い心はない。
 心を許している相手なんて片手で数えるほど。クロノやエイミィとは事件の間に距離が縮まったような気がするが、それはふたりが俺との距離を詰めすぎないようにしてくれたからだろう。そうでなければ、あんな風には話せなかったはずだ。
 ……短時間であそこまで変われるなんて、テスタロッサは凄いよな。俺はずいぶんと前からこのままじゃいけないと分かっているのに、少しも変われていない。
 そういえば……バタバタしてて言えてなかったな。テスタロッサと面会できるようになったら、一言だけでも言っておかないと。

「夜月くん、大丈夫?」
「ん、ああ大丈夫だよ。君ほど実戦慣れしてないから疲れてはいるけど」
「そっか……あれ? 確か夜月くんって私よりも先に魔導師になってるんだよね?」
「なってはいるけど、俺はデバイスのデータを取るための魔導師みたいなものだからね。まあ、そもそも君みたいに現場で叩き上げられる魔導師は滅多にいないと思うよ」

 クロノも「一体どんなスパルタだ」と言っていたから間違いないだろう。それに冷静に考えてみれば、魔力資質も関係あるだろうけど、高町のいびつな成長は現場で叩き上げられたからかもしれない。

「そうなんだ……いや、そうだよね。普通はいっぱい練習してから本番だもんね」
「ごめんなのは……ボクが巻き込んだばっかりに」
「ユーノくん」
「ぁ……うん、もう言わないよ」

 確かにいまさら巻き込んだことを言っても遅すぎる。それに高町は、最初は違っただろうが途中からは自分の意思で事件に関わっていた。自分から首を突っ込んだのだから、ユーノに謝ってほしくはないだろう。

「あ、あの夜月くん」
「何?」
「そのね……魔法のこととか色々と教えてくれないかな? できれば訓練の方法とかも……」
「嫌だよ」

 返事を返してから数歩歩いた後振り返ってみると、高町は瞬きをするだけの状態で固まっていた。俺があまりにもさらりと返事を返したからか、理解が追いついていないのかもしれない。

「えーと……なんで?」
「何でって、君にはユーノがいるだろ」
「……それもさっき一緒に言おうよ!」

 怒り始める高町だが、こちらが時間帯上騒ぐのは迷惑だと言うと
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