第九話 亡国の王女
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いる光っている魔石を見て驚き、ヴァンは恐る恐る何処で手に入れたかを言い、そのことにバルフレアは言葉にならないが声に出さずにはいられなかった。
ヴァンが持っている魔石・・・【黄昏の破片】をみたギースが笑い声をあげた。
「はっはっはっはっは!けっこう!もう用意してありましたか。手回しのよいことだ」
「やめなさい!」
アーシェはギースの手を止めるように塞いだ。
ヴァンはどうしていいかわからず後ろに振り返った。
するとバルフレアが頷いたのでヴァンはギースに【黄昏の破片】を渡した。
「約束しろよ、処刑はなしだ」
ギースはヴァンから渡された【黄昏の破片】を眺めながら言った。
「ジャッジは法の番人だ。連行しろ。アーシェ殿下だけは別の部屋へ」
どうやらギースはヴァンが【黄昏の破片】を渡したにも関わらず処刑する気のようだ。
後でこの世に生を受けたことを後悔させてやるとセアは強く決意し帝国兵に連行された。
ギースは【黄昏の破片】を見ながら呟いた。
「ヴェイン・ソリドール・・・なぜこんなもののために・・・」
ダルマスカ王家の証・・・確かに重要な品だがアルケイディア帝国次期皇帝確実と呼ばれる人物が欲する品とは思えない。
そういうものに興味があるならまだわかるがヴェインは先日発見された隠し宝物庫にあった品々に何の興味も示さなかった。
なぜかヴェインは2年前の戦争終結直後からダルマスカの執政官になることを希望していた。
ヴェインの才覚を恐れる元老院に覇王の血筋を断絶させた事を理由に足止めされたがそれでもダルマスカ行きを希望した。
政民達の間ではヴェインは本国に対抗できる程の戦力を手に入れるつもりではという噂もあった。
確かにヴェインの才覚を持ってすれば本国に対抗・・・下手すれば本国を滅ぼせるくらいの戦力を整えることができるとはギースも思う。
しかし執政官に就任してからのヴェインの行動にそのような物騒なことは欠片も感じない。
ただダルマスカの支配と今回のような王家の証の入手等のよくわからない任務しか受けていない。
「私や本国が見抜けない価値があるとでもいうのか? ダルマスカに・・・」
ギースはヴェインがなにを考えているのかわからずにいた。
一方そのころセア達はリヴァイアサンの廊下で話し合っていた。
バッシュはヴァンに向かって
「きみが持っていたとはな。これも縁だろう」
「俺を巻き込んだのも縁かよ」
バルフレアが不機嫌そうな声でバッシュに言った。
バッシュが余計な真似をしなかったら今頃空賊家業に戻れている筈なのだから当然だ。
「あの場では手はなかった。仕方あるまい」
「任務が優先か、さすが将軍閣下。それにしてもあれが王女とはねぇ・・・」
「同感だ」
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