第八話 ビュエルバの領主
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ルフレアも同意見のようだ。
当たり前かこれ以上面倒事に首を突っ込みたくないだろうし。
「ローゼンバーグ将軍」
外野の騒ぎなど知らないとでも言いたげに侯爵はバッシュに話しかけた。
「貴公は死中に活を見いだす勇将であったと聞く。あえて敵陣に飛び込めば、貴公は本懐を遂げるはずだ」
侯爵の台詞を聞いたセアとバルフレアはその本当の意味を素早く察し、バッシュの方に向く。
するとバッシュはセア達の方を向き真剣な顔で腰の剣を抜いた。
「悪いな、巻き込むぞ」
「侵入者を捕らえよ!」
侯爵のその言葉を待っていたとばかりに警備兵が執務室入ってきた。
そして侵入者一行(セア達)は警備兵に捕縛された。
「ジャッジ・ギースに引き渡せ!」
「放せよ! なにすんだよ!」
・・・どうやらヴァンはまったく理解できていないようだ。
そのヴァンを見てセアはヴァンに観察眼というものを育ててやろうかとも考えたがそれでは素直さが無くなってしまうとヴァンの観察眼を育てる事を諦めた。
セア達が捕縛されて数時間後。
アルケイディア帝国旧ダルマスカ王国領王都ラバナスタにて。
「帝都の老人どもに足止めされている間に、この復興ぶりだ。まったく・・・この国はたくましいな」
ダルマスカ地方の執政官ヴェイン・カリダス・ソリドールは王宮から市街を見て呟いた。
机の反対側にいる人物・・・ジャッジマスター・ガブラスは報告を続ける。
「現在ラバナスタの反乱分子は孤立しておりますが・・・今後、外部勢力からの支援を受けると厄介です。特にビュエルバの反帝国組織は不自然なほど資源が豊富です」
反帝国組織の中でビュエルバの組織はそれ程大きい方ではない。
数ある反帝国組織の中で見れば精々中規模程度・・・先日壊滅寸前まで追い詰められた反乱軍より少し大きい程度である。
しかし大規模な反帝国組織は南のケルオン大陸の植民地に集中している。
宿敵の力を削ごうとロザリア帝国が支援しているからだ。
まぁアルケイディア帝国もケルオン大陸のロザリア帝国の植民地にある反抗組織を支援しているからお互い様である。
しかしビュエルバの反帝国組織は違う。
位置的な問題でロザリア帝国が支援できる筈がないのだ。
それなのにダルマスカ王国の敗残兵の殆どを吸収して結成された反乱軍と同程度の規模があるのはおかしい。
となると・・・ビュエルバの領主が反帝国組織を支援している可能性がある。
「オンドールを押さえるべきです」
ガブラスはヴェインに進言した。
将軍の生存を公表すれば反帝国組織のオンドール候への信頼も揺らぐだろう。
しかしヴェインは笑みを浮かべて書類を取り出した。
「ところが彼から連絡があってな。檻から逃げた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ