8章
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と、一方的な被害などは避けられるだろう。
ただし、どちらにもリスクはあるだろうがな。
「そこで私を餌に篠ノ之束を釣りたい、と?」
「話が早くて助かるが、それだけではない。
もう一つはお前に関係があり、私にも関係がある。私が今努めている学園のことだ」
「学園?」
確か彼女は軍にいたはずではなかったか。
いや、あの状況では違うのだろう。こちらに戻ってきて、違う職についたというところだろう。
「IS学園、と言えばわかるだろう」
「…IS操縦者、又はそれに関わる人材を教育する機関だな」
「ほう、俗世を離れていてもそれぐらいは判ったか」
わからなければどうする気だったのか。それは聞きたくないので聞かないが。
IS学園については旅の途中に何度か聞いたことがある。女性のみが載ることができるIS。その操縦者を育成するために世界各地から人材が集まるという学園。
「それが私にどう関係してくる。
少なくとも男の私には関係のない話だ。その中で働かせてもらえると言うのであれば世の男連中は黙っていないだろう」
「そのまさかだ」
「だろうな。そんなことは無理に決まっている。
そもそも君は何を私にさせたいのか―――話を戻そうか。君は一体何を言った?」
聞き間違いではないのか?
「お前にはIS学園で働いてもらう」
「―――すまない、長い間旅を続けていた影響が出ているのかもしれない。疲れが出たようだ。
すまないがもう一度言ってもらえるだろうか」
「お前にはIS学園で働いてもらう」
聞き間違いではなかった。
何故、どうして、Why?
「理由か? 理由は三つあるが、二つまでなら教えてやろう」
「残り一つは」
「お前が了承したと言えば教えてやろう」
「では遠慮させてもらおう」
結論だ。私は篠ノ之束に関わる者全てから距離を取らねば危険だ。何をされるかもどういう行動に出るかも全く予想できない。信じられない。
ISという存在そのものから離れなければ私に未来はない。確証がない。
「いいのか?」
「なにが良いのからはわからないが、私に被害が出ることは理解できた。
話を聞くまでもないな。私を利用したい、それだけなのだろう? 男子禁制の場所に入れようとするなどそれ以外に何かあるだろうか」
千冬は何も言わない。
しかし、それが私の中で苛立ちを生み出す。図星なのか、以前の清々しい彼女は何処へ行ったのか。
裏がある。しかし、それを話そうとしない。それが自分の中で残念だったのかもしれない。
「私には関係ない。本来であれば人と関わりを持つことは避けるべき存在なのだ、私は。
理解してほしいとは思わん、理解できる
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