8章
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だろうか。
不通ではないが外国人の観光という風貌で色々と―――
「束ねさんは無視されるのが嫌いだよっ!」
「…そうかそれは悪かった。ではさらばだ」
何も用はないのはこれまでと一緒だ。
魔術のことを知られたくなければこいつと関わりたくもない。正直迷惑だ。
「む、だから答えをこっちは求めてるんだから未知の教師としては生徒の疑問を解決するべきじゃないかな?」
「生徒だとするならばこれほど厄介な生徒はいないだろう。
正確な答えを持ってこい。公式を載せろ、理論を出せ。でなければ点数はやらん。それが私の答えだ」
答えなど求められないだろう。
正解は魔法でしたなど、今の子供にも通じない。ましてやこいつのような科学者の頭では到底考えが及ばないだろう。
違う世界から来たということでさえこいつにとっては苦しい答えだっただろうからな。
「むぅ…!」
不満、か。こうまで子供のままの表情を出すところだけを見ればかわいらしいものだが。
「いたぞ! 篠ノ之束だ!」
あぁ、そして私は厄介事に巻き込まれるのか。
広場に集まったのは黒服の男集団と数名の女性。
皆、素早い動きで二人を囲んでいく。
囲まれた二人はその状況を何とも思っていないかのように平然としている。
「篠ノ之博士。御同行願います」
「ん? どうして? 私忙しいから後にしてくれないかな。出来れば日本が沈没するぐらい」
それは何時のことだろうかと一夏は突っ込みを入れたくなるが、黒服達はそんなことはどうでもいいから束を確保したいことだろう。
確保は自国のISの発展に繋がることだ。どんな瑣末な情報さえ束の技術は世界の企業には新しい物になるだろう。それだけ今の企業と束の技術力や理論には差がある。
「…それは技術的にということでもよろしいでしょうか」
「だったら日本はすでに足元まで来てるかもね。
あ、どこいくの?」
「…私に話を振らないでもらえるだろうか。私はこの篠ノ之束博士とは無関係だ。
一般人だ。話や揉め事は私のいないところでやってもらえないだろうか」
あくまで彼は無関係を貫きたい。ここで厄介なことに巻き込まれれば彼は本当に厄介なことになりかねない。
密入国、国籍不明、所在不明、身元不明、篠ノ之束との関連性あり。
非常に厄介だろう。
「あ!」
そこで束は一つの良いことも思いついたように表情をほころばせる。
「ねぇ」
呼びかけに応えるべきか、応えないべきか。応えない方が自身に被害は来ないと思ったが、それの方が自分に最悪の被害が来るのではないかという予感もある。
「…なんだ」
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