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科学と魔術の交差
7章
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手の者たちから追われることもなくなった。









 では、当初の予定通りに日本へ渡るとしよう。
 密航も久しぶりだ。












 



 その日、私の久しく動くことのなかった携帯電話が鳴った。

「もしもし」
『…ちーちゃん?』
「束、何か用か?」

 珍しく、声に元気がない。いつもは煩わしいと思えるぐらいい元気な奴がこうまで元気がないと逆にこっちが表示抜けしてしまう。

『私にもわからないことってあったんだね』
「…なにをした?」
 
 束の口からは衛宮士郎にちょっかいを出したことと、理論のわからない技術を調べたとのこと。
 ドイツ軍はもとより、私も理解できなかったあいつの力。ISなどよりもさらにわけのわからない… いや、どこか得体の知れないナニだった。

「そうか、お前でも理解できなかったか」
『うん。あの人は観測する技術が確立されていないって言ったけど、考え得る全部のことはやったよ。でもなにも出てこない。新しい技術を投入してみても何もわからなかったよ…
 まるで魔法だった』

 魔法か。確かにあいつは魔法使いのように手元に取りだしていたな。

「ISではないのだな」
『むしろISだったらよかったよ。素粒子とかじゃなかったし… 本当に魔法だったのかな』
「かもな」
『え?』

 らしくない。私らしくない。
 自分の目で見たことは信じるがそれ以外はあまり信じることのできない私だ。
 だが、あいつの力はISではない。ではほかにどんな技術がある? あれば束が観測できるし、解明できるだろう。天才なのは認めている。世の中を変えてしまうぐらいにはこいつの頭は異常なほどにおかしい。
 
「あいつは空から降ってきた。飛行機でも宇宙からでもない、空からだ。どういう理由かは一切わからない。だが、あいつの不可思議な力と強さは普通では言い表わせない。
 だったら、魔法使いでいいんじゃないか?」
『――――そうだね。それでいいかもしれないねっ!』

 その答えもらしくない。
 だが、それでもこいつが少しでも元気を取り戻してくれればとりあえずは良いだろう。



『あ、ちーちゃん。さっき空から降って来たって言ってたけど、それっていつのこと?』
「ん? あれは確か――――」

 その返答が、あいつと私達が再び出会う扉のカギになろうとは思いもしなかった。















 福音事件のあと、俺は夏休みをまだ楽しめないでいた。
 事件のことセカンドシフトした白式関係のことで毎日が取り調べ、調査、実験の繰り返しだ。

 
 だけれど、それも今日だけは違う!
 皆は今日が一週間
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