7章
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かねん。
しかもそれが2m近くもあるニンジンであればより不気味にもなる。
「ふっふっふ、ついにこの時が来たようだねっ!
じゃじゃーん! 束さん登場!」
大仰にドライアイスでも使ったかのようにニンジンの中から出てくる彼女に私は本当に頭痛を覚えた。
「…何しに来たんだ?」
「何って、君の使っている技術が気になるから調べに来たんだよ? 君には興味ないけど、その技術には興味がるからねっ。
さぁ、私にその技術を調べさせなさい!」
どっから出したと突っ込みたくなるほど器具を取り出し、私に向かってくる。
…このまま大人しくしているのも面倒だ。私がここまで追われる原因になったのは彼女のせいだ。ドイツ軍との契約を即効で破ってしまったに等しくなったのは。
見せてやろうではないか。
魔術を。
「――――およ?」
彼女を中心として剣を射出。
ロボットのようなアームからなにから破壊する。私が危険だと思った物は悪いとは思うが破壊させてもらおう。
「うぅん」
彼女は難しい顔をして空間にディスプレイを浮かべると、何かを打ち込み始めた。
「空間に歪みは出来ないし、素粒子でもなさそう。でもそこに存在していて質量を伴って鉄を貫く硬度を持った剣…
おかしいなぁ… 私に判らないことなんてないのに…」
そこで彼女は初めて私に困ったような、不安そうな表情を見せる。
「いや、そんなことない。私は天才なんだし、わからないことはない。全ての現象には元となる事象があるんだし、それが分かれば…
でも何か観測できたわけでもない… 無から有を作るなんて考えられないし。じゃあそれに類似したなにか? でもそれなら観測できるはずだし、まるで――――」
「まるで魔法、か?」
「あり得ない!」
声を荒げ否定する。
科学者が信じるのは己の知識と結果が出る事象のみと聞く。それがオカルトに等しい物を目にすれば感情も高ぶるか。
いつも笑っていたからこうして真剣に悩んでいる姿は少々心苦しい。
「なんで? どうして? わからないなんて今までなかったのに…」
「それが今の科学の限界ということだ」
だが、私は突き放す。
「科学では理解できない、解明できない事柄もあるということだ。観測する技術が確立されていないということもあるだろう。この世界に私と同じ人間がいないかもしれないということもあるだろう。
私に構うな。私は君には理解できない人間だ」
魔術など理解しなくていい。
魔術の血生臭さなど知らなくていい。
それから、私の前に篠ノ之束が姿を現したことはない。
同時に、軍やその
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