師匠の愛・弟子の夢
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
奴とやれるなんて、この先いつあるかわからねぇーし」
戦おうとしていたナツはその声を聞いて、動きを止めて後ろを向く
次いでカイトの顔を見て、文句を言うのをやめた
笑っていたのだ。ただ、楽しそうに
しかし、ナツ達は経験上この満面の笑みのカイトには逆らってはいけないと知っていたため何も言わず、ナツはただ頷いた
「あ、ああ」
まあ、若干不満そうではあるが
それを知ってか知らずかカイトはメイルを降ろし軽いストレッチをしていた
「ありがとー」
カイトは礼を言いながら腰を下げる
突進の準備が整っているということだ
そして、長く息を吐くと抑えていた魔力を解放した
「きゃあああー!!」
ルーシィの悲鳴が響く
周囲は砂が飛び、岩が砕け、大気が震える
ルーシィはカイトを驚きながらもしっかりと目で捉えていた、・・・その場にしゃがみ込んで
カイトの笑みは頂点に達し、足に力を籠め地を蹴った
「デリオラーーー!」
叫びながらデリオラの顔に向かって突っ込んでいく
デリオラも何もしないわけではなくその大きな拳でカイトを殴ろうとした
しかし、カイトは何の反応も見せずただ突っ込んでいく
「あ、危ない!」
ルーシィは反応を見せないカイトに叫ぶ
だが、カイトを始め周りの魔導士も何もしない
「・・・ふっとべ」
カイトと拳が接触する瞬間、彼が誰にも聞こえないような声で呟くと
デリオラの腕が後方に弾け、デリオラは態勢を崩す
その瞬間をカイトが見逃すわけもなくさらに空を蹴りデリオラに近づく
カイトはデリオラの目の前に移動しその目を見て驚いた
「・・・そうか、そういう事か・・」
一つ顔を蹴り、カイトは地に降りた
「なにしたの・・・?」
ルーシィはその行動の意味が解らず呟き周りを見るが他の皆もその意味がわかっていなかった
デリオラは態勢を整えカイトを殴るために拳を振るう
今回もカイトはなにもしない
カイトの目の前に来たその拳はカイトに届くことはなかった
・・・その腕に突然ヒビが入り崩れた
「どうなったんだ・・?」
ナツとハッピーが思わずつぶやく
そんな中気を失ったはずのリオンが独り言のように呟く
「ウルの氷の中で徐々に命を削られ、俺たちはその最後を見ているというのか・・?」
カイトは一人空を見上げて語る
「絶対零度を使った時ウルは”氷の中で生きている”と言ったんだろ?
この魔法は魔法の中に”意思”を閉じ込める魔法だ。彼女の意思の力がよほど強かったんだろう」
皆の視線がグレイに集中する
グレイはその手で目を抑え呟いた
「ありがとうございます・・・師匠・・」
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ