夢と現
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せろ!」
涙目で怒るラウラだが、どこか焦っているようにも見えた。
「大体、振られると決まった訳じゃ……」
「訂正するわ。振られてしまえ。切嗣は渡さないわ」
「ただの願望か!」
ラウラは何か言いたそうに口を動かしたが、結局口からは何も言葉が出ず、ただソファーから立ち上がった。
「……まあ、いい。要するに振られると決まった訳じゃないのなら、幾らでもやりようはあるさ」
溜息を混ぜながらも、どこか嬉しそうに独白するラウラ。その姿に何らかの決意を感じたのか、アイリスフィールが声をかけた。
「もう、大丈夫なの?」
「ああ。これからどうするかはもう決めた。取り敢えず実力行使だ。大丈夫、軍隊仕込みの寝技で衛宮もイチコロだろう」
「待って、それ本当に殺しちゃうわよ!?」
「大丈夫だ、問題ない。クラリッサも褒めてくれたんだぞ。“これならどんな男も寝とれます。手の届かない所に連れて行ってしまえば……”てな!」
正に外道……ではなく、ラウラが歪んで原因の一つにクラリッサという人間が候補に挙がりかねない勢いで何かが壊れていった。アイリスフィールが慌てていたが、今のラウラには気にならなかった。
「じゃ、私はもう行くからな。……衛宮の話を聞かせてくれてありがとう」
全てではないが、気になっていた相手のことを聞けた。例えこれが夢だとしても、それは嘘では無い。そんな確信が今の彼女にはあった。そして、そんな確信を抱いて彼女の意識は覚醒した。
そして数日後のこと。どっぷり夜が更けた闇の中、一夏は自分が学校から与えられた部屋にいないことに気付いた。
「ここどこだ……?」
見たところ剣道部の道場にいるようだが、自分は剣道部員になった覚えはない。それどころか、自分の意思で訪れた試しもなかった。そんな自分がなぜこんな場所にいるか解らなかった。となると考えられる可能性は一つしかなかった……
「まさか…箒にいつの間にか部員にさせられていた……」
「いや、普通拉致されたとかそんな発想に行き着くだろうが……」
突然、後ろから声がかけられた。振り返った先にいたのはラウラだった。
「ラウラ……」
「先に言っておく。お前をここに連れてくるためにドアと洗面所とベッドとハードディスクを破壊したことは謝ろう」
「おいこら。なに余計なもんまで破壊してるんだ」
逆に、ここに連れてくるまでにドア以外のものを破壊する余地があったことを小一時間問い詰めたい一夏であったが、ここはグッとこらえた。連れ去ったといっても学園の敷地内。さすがに殺されるようなことは無いと思いたいが、穏便に済むとも考えにくかった。現に、ラウラの持った黒く長い木刀がそれを物語っていた。
「しかし、私にもやむを得ない事情があったのでな」
「事情?
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