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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第66話 第二の圏内殺人
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略組の全プレイヤー中でも1,2を争うプレイヤーだと思っている。所属しているギルドの団長、数々の伝説、異名を築き上げたヒースクリフを含めたとしてもだ。
だから、強く思った。その2人からまんまと逃げおおせたあのフードの人物はやっぱり只者じゃない、と。
「……追っている最中だ。転移結晶を使われたよ。仕方ない……が」
リュウキはそう言った。彼は両手を組みキリト程感情を露にはしていない。それでも身に纏う気配はいつもとは遥かに違っていた。ヨルコが殺されてしまったのだ。
しかも……、攻略組でもある5人の目の前で。
その場の誰もが無念感を拭えない。いや……1人は違った。
シュミットはただただ、怯えていた。
「あっ…あのローブはグリセルダのものだ……」
その巨体をガタガタと震わせそう答えた。
「あれは……あれは……グリセルダの幽霊だ……! オレ達全員に復讐しに来たんだ!!」
まるで恐怖に体が支配されたかのように最後は笑っていた。あの最後の瞬間の前のヨルコの様に。
「で……でも! そんなっ! 幽霊なんて! だって、もう、この世界では何千人もの人が亡くなってしまったんだよ? 皆……皆無念だったはずだよ。そう思うでしょう?」
レイナは皆を見ながら、そしてシュミットに否定するように言った。
「あんたらは……彼女を知らないだろ。グリセルダは、すげえ強くて、いつも毅然としてて……不正や横着にはとんでもなく厳しかった。あんた以上だよ。アスナさん。だから……もし、罠にはめて殺した奴がいたとしたら、……グリセルダ決して許さない。たとえ、幽霊になってでも裁きに来るだろうさ……」
その巨体のシュミットの怯えようを見て、そのタガが外れたような笑いを聞いて、その言葉を聞いてしまえばレイナは何もいえない。自分の今の姉以上に厳しい人なのだったら……と思うところがあるのだ。それは笑い話ではない。
そこまで、強い強い念があるのなら、或いはと……。
だがその時だった。
突然、シュミットの目の前にダガーが転がり落ちた。それを見たシュミットは、まるでスイッチが切れたかのように笑いを止めた。光る鋸歯状の刃を数秒間凝視し。
「ひっ………!!」
弾かれたように上体を仰け反らせた。足元にダガーを放り投げたのはリュウキだった。
「……馬鹿な事を言う前に、よく見てみろ。それが彼女を死に追いやった武器だ。実在するプログラム。短剣だ。このSAOに書き込まれた……な。霊的なものが存在するとして、人を殺すのに、ご丁寧にゲームに則って、オブジェクト武器を使うのか? ……霊的なものでも何でもないと思うぞ。不安で心配なら、それを持って帰って調べて見ると良い」
「い……いらない!そんなものッ!!」
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