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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編 「雨が降る (後編)」
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に変わった行動や周囲に不審な動きがあった場合はすぐさま長である彼女の下に報告が来る。
だからベルーナ・デッケンが突然雨具を着込んで学園内の森に突入するという奇行を行えば当然ながら彼女に報告が行き届く訳で。そのまま戻ってこないとなると流石の彼女も何があったのか確かめに行かなければいけなくなる訳だ。
確かに彼に関するデータに「森林浴を好む」とは書いてあったし、今までも何度か森林浴に行く姿は目撃されているが・・・流石にこの雨が降る中仰向けに倒れていたときは「とんでもない失態を犯したかもしれない」と背筋が凍ったものである。蓋を開けてみれば呑気にも歌っていたので腹いせがてら部屋に連れ込んでシャワーを浴びさせたが。それなりに長くあの中を歩いていたようで、汗もあってか結構体温が下がっていた。泥にまみれた合羽は虚に頼んで洗ってもらっている。
全くこちらの気も知らずに・・・と楯無はため息をつきながらドライヤーのスイッチを切った。
少し眠そうな顔で、借りてきた猫のようにおとなしいベルーナに、部屋のソファに座るよう促す。言われるがままにそこに座るベルーナを見て、楯無は無性に彼の将来が心配になった。
唯でさえベルーナはその精神的、身体的ハンデの所為でIS委員会から軽視されている傾向にある。男性IS操縦者の秘密を解き明かすために身柄を寄越せ、という訳だ。一夏は姉の存在が後ろ盾になり、ジョウはその圧倒的な技量が買われているのに比べ、ベルーナには伸び代が無いと上は考えているのだ。
どうせ死ぬなら実験施設で役立って死ね、と言っているようなものである。イタリアと幾つかの国はその意見に猛反対しているが、数の上では劣っている。それだけに彼にはいつ何のきっかけで介入されるか分からないというのに・・・
「まぁいいわ。自己紹介がまだだったわよね?・・・IS学園生徒会長の更識楯無よ」
「・・・ベルーナ・デッケンです」
「ん、よろしく」
本当はもう少し積極的に踏み込みたいのをぐっと堪える。彼は軽度とはいえ対人恐怖症。迂闊な言葉をかけて心証を悪くはしたくない。
既にある程度彼の好む人間像のデータは布仏を通じて手に入っている。掴みは少々強引だったがそこそこの距離感を保てば必要以上に警戒されることは無い筈だ。
「貴方の趣味を邪魔してしまったのは申し訳なく思ってるけど、流石にあれはいただけないよ?それだけ覚えておいてね?」
「・・・はい」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
沈黙。なるほどこれはやりにくい。護衛対象として陰で様々なデータを収集してはいるが、直接会って話してみると彼がどれだけ難敵かが分かる。親しくなるためにはこちらから踏み込む必要があるのに、踏み込む先が視界の悪い地雷原と言った感じだ。迂闊に動けば彼の心の琴線に触れて閉じこもってしま
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