第5話
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女性「ただいま、お食事をお持ち致しました」
竜司「わざわざ申し訳ない」
そして部屋に入って来た女性が俺の前にお膳を置く。
その仕草の一つ一つが絵になるもので、その美しさに息を呑む。
一通り置き終え、姿勢を正した女性は自己紹介をしていく。
女性「給仕を承ります。私、織田三郎が妻、帰蝶と申します。不束者ではございますが、よしなに」
竜司「これはどうも、ご丁寧に。三上竜司と申します。突然押しかけてしまい、あまつさえ食事まで頂いて、申し訳なく思います」
帰蝶「……」
竜司「あの?」
帰蝶「うぇ!?は、はい、どうしました?」
竜司「いえ…その、どうかなさいました?」
帰蝶「あぁ、随分礼儀正しいのだなと思ったもので…」
竜司「そうですか」
帰蝶「では、我が夫久遠より言いつかっておりますので、只今給仕を…」
竜司「えっと、飯は一人で食べれるので、結構ですよ。お気遣いなく」
帰蝶「ですが…」
竜司「本当にお構いなく。では、いただきます」
そういい、ご飯を口の中に入れる。艶があり、粘りもあって甘味もある。
あまりの美味しさに次々と箸が進んでいく。
帰蝶「……………」
そんな俺の姿を帰蝶はじーっと眺める。
竜司「………(なんだろう…)」
帰蝶「…久遠の夫になるのですか?」
竜司「ん?んぐっ…まぁ、そういうことになりますか…。夫と言っても、ただのお飾りですよ。本当に祝言を上げるわけではありません。それに俺も目的がありますし…」
帰蝶「目的…?」
竜司「鬼の駆逐…まぁそういうこともあって利害が一致したので久遠どのの条件を飲み、しばらく厄介になろうと思い至った次第」
帰蝶「…あなたに久遠の夫が務まるとは思いませんが」
竜司「それはこれからあなたがた自身が俺の行動を見て判断すればよろしいでしょう」
帰蝶「……」
竜司「…………(もぐもぐ)」
帰蝶「あの…」
竜司「………(もぐもぐ)」
帰蝶「ちょっと!話を聞きなさいよ!」
竜司「ふぅ…」
帰蝶「…!?」
そして手を合わせて
竜司「ご馳走様でした」
帰蝶「はい…」
竜司「まぁ先程も申し上げた通り、私にも目的がある。その目的を果たすまでの間、夫役を任された。まぁあなたも、そして最初に会った権六どの…おそらく柴田勝家どのでしょうがあの方も今は俺のことは信用していない。だからそれはこれから俺自身の行動を見て信用に至るかを判断していただきたい。そうでなければ、久遠どのと交わした約束も破ってしまう。その上で信用に至らなければ、追い出して頂いて結構。俺もあなたの意見に従いましょう。ですが、それは私達
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