第5話
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今は秘密にさせてもらおう。そして他国に、計算できない、倒せない脅威とはやりたくない。そう考えるんだな」
久遠「今更隠しても始まらんか…そういうことだ」
竜司「なるほど…」
つまり、もし俺が織田家ではなく他国に味方した場合、俺の否応なく新たに勢力が出来上がる可能性があり、それは今の久遠達にとって邪魔にしかならない脅威となる。そしてその当主が国を滅ぼす力を持っているなら尚更だ。それは俺がその気でなくとも、遅かれ早かれそれは起きる可能性がある。それを防ぐため、またその力を他国に利用されないためでもあるわけだ。つまり、今出された条件を飲まなかった場合、その瞬間で俺は織田家の敵ということになる。
竜司「……(結局…面倒事に巻き込まれるのな…俺…)」
そんなことを考えている俺を、久遠はジッと、真っ直ぐ、1度たりとも目を離すことなく見ている。その瞳は強い意思を持ち、優しくもあり、そして苛烈にも見える。その瞳を俺は、目をそらすことが出来ず、何かに思い当たった。
竜司「……(これは…今更嫌とは言えない…この子から目を逸らせない…なんと透き通っていて、それでいて引き寄せられそうな…そんな目だ…これは…意を括るしかないか…)」
竜司「はぁ……」
何秒間か時間が止まったかのように感じ、息継ぎするのを忘れていたのだろう。肺に溜まっていた息を大きな溜息で一気に吐き出し、そして決断する。
竜司「君の考えを聞き、理解し。そして決めた」
久遠「ほぉ?では聞こう。貴様はどうする?」
竜司「俺は君の出した条件を飲み、厄介になろうと思う」
久遠「……………」
竜司「どうかしたか?」
久遠「最初と違ってころりと意見を変えたな?」
竜司「言葉にしなければわからないこともあるんだよ。それがこれから利用してやろうって言うんだから。真意が分からなければ、信用もなにもあったもんじゃない。だが君は真意を話してくれた。そしてその真意は半分はそちらの利益のためだろうけど、そしてそれは他国に利用されないように、久遠の敵にならないようにという俺の保護という意味も成していた」
久遠「我は善人などではない。もっと他の…お前にとって都合の悪いことを考えているかもしれんぞ?」
竜司「ん〜…うん、それはないかな?」
そして俺も同じように久遠の瞳を見る。
久遠「何故…そう言い切れる」
竜司「言っちゃなんだが。俺も人を見る目はそれなりにあるつもりだ。そしてその人物がどのように考えているかもな。そして俺は君の瞳を見て、その瞳は強い意思を持ち、それと同時に優しさも持っていると感じた」
久遠「な、何を言っているのだ貴様は…///」
竜司「まぁほかにも考えていることはある
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