第5話
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やる。貴様は我の傍に居れば良い」
竜司「ふむ……」
久遠「どうした?これ以上の破格な条件はないと思うが?」
竜司「確かにな。これ以上にない破格な条件だ。しかし…」
久遠「しかし…なんだ?」
竜司「俺にはまだ…君の真意がほかにあると思っている」
久遠「…!?」
竜司「よくよく考えればわかることだ。鬼に襲われそうになり、今にも殺されそうになったあの瞬間、君の言っていた光が差し、そして俺が現れ鬼を薙ぎ払った。そんな得体の知れない俺を、何故そんな重責を負わされるのか…最初はまぁその助けた感謝と、物珍しさだけだったかも知れん。だが、二度目となると話は別だ。奇妙な現れ方をし、尚且、鬼を…いや戦をする力を持っている男。まぁこの場合は俺のことだが、これは十分利用価値があると考えるのも世の常だろう。そして今は戦乱の世。そこに力を持った者が天から降りてきた。それだけで何かしら利益があると考えられる。だから何が何でも手中に収めておく必要があるからあの破格の条件を出した。と、そういうことじゃないのか?」
久遠「ふふっ、当たりだ」
竜司「では聞こう。その真意とやらを…ね。それを聞いて俺の行動を決めさせてもらおう」
久遠「なんだと?」
竜司「久遠。確かに君の考えは理解できる。他の諸侯ももし同じような状況なら同じようなことを考えるだろう。だがな、俺だってただ一方的に利用されるなら黙ってはいられない。けどそれがもし、互いに利益があるのなら、考える価値もあるというもの」
久遠「やれやれ…食えん奴だな貴様は」
竜司「少し理屈っぽいだけだ。それに俺だって人だ。時には感情で動くこともある」
久遠「にわかには信じられんな。ここまで冷静な貴様が感情で動くなど」
竜司「まぁ人それぞれということだ」
久遠「デアルカ」
竜司「まぁ今までの行動は全て俺自身が選んだ道だ。これまでも…そしてこれからもそれは変わらない」
久遠「自分で選んだ道、か…」
何を思ったか、目を瞑り何かを考える素振りを見せる久遠。そしてしばらくして俺に目線を戻す。
久遠「わかった。真意を明かしてやろう」
竜司「聞こう」
互いに姿勢を正す。
久遠「先ほど、我は今川治部大輔と田楽狭間で戦ったのは、貴様も知っていよう」
竜司「あぁ、そして鬼が出て、俺が現れた」
久遠「そうだ。そして我はそこを重視しておる」
竜司「と、言うと?」
久遠「今、この日の本はまさに乱世だ。我の母、信秀より続く尾張の織田弾正忠という存在は、ついこの間まで、とてもちっぽけなものだった。そして今川治部大輔は【東海一の弓取り】と謳われる程の戦上手であり、今川家は駿遠を治むる、日の本では名の知れた勢力で
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