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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
幕間『漸動』
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るのが束なのである。
「機械の扱いはよくは分からん、しかし術を用いてこやつを騙すぐらいは造作もないぞ」
「だだ、だ……騙す……?」
「そう……『こ〜んにゃ風にね〜?』」
「ふぇぇぇぇええっ!?」
白夜の喉から、どういう訳か束の声が発せられた。
「『そ〜してっ、こんな感じにも〜!』」
「うひゃぁぁぁああっ!?」
白夜がその場で一回転した瞬間、独特の衣装が一瞬で空色のドレスに変わり、銀髪も赤毛の長髪へと変化した。凛々しい顔も、垂れ目のおっとりとした風貌になり、頭には硬質素材のウサギ耳カチューシャが……。
「ぁわゎわゎゎわゎゎわっ……!?」
「ふふふっ、そういえばお前さんに見せるのは、これがお初じゃったかな?」
束の姿をした白夜が、束の顔で本物に語りかける。まるで古典怪談の一幕である。
「<
自在変化
(
じざいへんげ
)
の法>――、わしの十八番じゃよ。その気になれば指の紋、目の紋、五臓六腑に血の道の並び、血の質も体液も、秘所の形から具合まで……。お前の
髪
(
くし
)
の数本もあれば造作もない」
自分の力の一片を語る白夜だが、明晰な頭脳の許容量を遥かに超える怪奇現象と、このあとに待っているであろう“悲惨な現実”を予感して、既に束の思考回路は停止寸前であった。
またその場で一回転し、元の姿に戻った白夜はゆったりと束へと歩み寄っていく。
「びや……白夜…さん……、何でこっちに、よ…寄って来てるんですかぁ〜……!?」
「寄らねば出来んではないか――“仕置き”が……」
束の嫌な予感は、見事に的中してしまった。
どうにか逃げなければ……。
そう考えるも、どんな策を弄してみても出る答えは“無理”の一択だけ。
考える間に白夜はどんどん近寄ってくる。
「あ……あの、白夜さん……、ここはひとつ、ご容赦してくれる……ていうのは……?」
束は顔を引きつらせながらも、何とか笑顔を作って、ご機嫌を窺ってはみる。
「なぁに、冥土法界の境を三周もする頃には、気分も変わっておるだろうて」
にこやかに、そして限りなく冷ややかに、骨董の微笑で白夜は返答し、さらに近寄る。
とうとう、手を伸ばせば届く範囲にまで近付かれてしまった。
「さて……覚悟は良いか、大うつけ?」
ビクビクしている束に対し、にっこりと笑う白夜。
ウサギを追い詰めた獣は、おもむろにその右手で顔を鷲掴んだ。
そして――
「さぁ、“我ノ目ヲ見ヨ、篠ノ之束”」
「ふぐっ……!?」
「『
仙眼
(
せんがん
)
・
夢幻廊獄
(
むげんろうごく
)
――
冥土苦輪
(
めいどくりん
)
』……!!」
「ひにゃああああぁぁぁぁぁあああ……!!!!」
程なくして、束の断末魔が施設中に響き渡り、南海の青空に消えていった。
――それから十数分後……。
「あぅあぅあぅ……。お
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