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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
幕間『漸動』
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*危ない薬で脳が飛んでいるマッドサイエンティスト
*膨大な特許料を慈善事業に使っている現代の聖女
*神から人の革新を促すために遣わされた天使
*戦争をもたらすために地獄から遣わされた悪魔
*実は侵略宇宙人の斥候
――等など、挙げればきりがない上に、挙げるほどに現実味が薄らぐばかりなのだ。
何にせよ、政財界や学界の重鎮たちからすれば忌むべき頭痛の種であり、世間知らずでクソ生意気な小娘以外の何でもない。
「おっと、危ないあぶない。もうすぐお出かけの時間だったっけ」
夢のひとときから目を覚まし、天才はふと時計を気にしてみる。
彼女の傍らには小型のキャリーケースが置いてあり、その言葉通りにどこかへ出かけるつもりだったらしい。
「そろそろ
研究所
(
ラボ
)
に乗って移動しないと、おっかない人が追ってきちゃうから……」
「その“おっかない”のとは、誰の事じゃ?」
「それはもちろ〜ん、先生のぉ〜…………、え……?」
自分の背後から、聞き覚えのある声がした。
そしてそれは、
何人
(
なんぴと
)
たりとも捉えられないと言われる篠ノ之束の、この世で【唯一の天敵】たる人物の声であった。
それが何かと悟った瞬間、束の顔から一切の余裕は失せ、どんどんと蒼くなっていく。背筋に悪寒が走り、全身からじっとりと脂汗が滲んでくる。室温は適温のはずなのに、彼女のグラマラスな体は、極寒の地に佇んでいるかのように震え上がっていた。
やばい、死ぬ――。
背後からする、吹き荒ぶ極地の風のような冷たい気配の正体を確認すべく、束は一滴の勇気を絞りだして、恐るおそる後ろを振り返った。
そこにいたのは、銀髪の異装の美女と、美女に抱えられたIS学園に送り込んだはずのナノマシン集合体の“瓶詰め”だった。
「ああぁぁあぁぁっ……、びびび…びやきゅし…しゃあんっ……!?」
「久しいな、馬鹿娘」
あまりの恐怖に呂律も回らない束に対し、ここにはいるはずのない存在――修夜の親にして武の師である夜都衣白夜が、目を細めて微笑んでいた。
ただその笑い方はにこやかというより、とても不気味で冷たい
骨董の微笑
(
アルカイックスマイル
)
だ。
「えぇぇぇっとぉ……、なな、なんでこの場所が、分かったんで……しょうか〜……?」
「こやつに訊いたのさ」
白夜は言うと、片手に大人の頭が入りそうな大きな瓶を掲げた。中にはピンク色の、あのウサギの耳がついたゴムボール――ウサギボールが、ビンの中でぎゅうぎゅうに押し込められていた。
「訊いた……って、そ…その子は私の言うこと以外は、聞かない設定にしておいたはずなのに……!?」
捕捉するなら、指紋・声紋・虹彩・静脈……等々、当人と認証できる鍵は幾重にも掛けてあるはずなのだ。ボケっとしているようで、その実数手以上先を常に的確に見据え
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