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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
幕間『漸動』
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箸じゃつかみにくいかな……?」
「あっ、それなら……」
悩んでいる一夏を見て、箒は一緒に包んでいた使い捨てのスプーンを取り出す。
「サンキューな、……じゃ、いただきま〜す!」
スプーンを受け取って礼を述べると、一夏は炒飯を大きく掬い取り、そのまま口へと運んだ。
一同が注目する中、一夏は良く噛んでその味を確かめる。
……が、二十回、三十回と咀嚼し続け、ついに五十回は噛んだだろうというところで、ようやく一夏は炒飯を胃に落とした。
その表情は、何とも難しそうなものである。
「ど、どうだ……?」
不安そうに尋ねる箒に、一夏はますます悩みはじめてしまう。
仕方ないとばかりに、今度は修夜が自前のスプーンで炒飯を救って頬張った。
そして、……やはり何十回と咀嚼を繰り返してから飲み込み、何とも難しい顔をした。
「…………箒」
「ど……、どうだった……!?」
何か意を決したように、修夜が口を開く。
「……まず訊くぞ、材料は?」
「え……、えぇっと……、白ご飯と玉子と……、あと“白菜”と“鱈のほぐし身”だけど……」
セシリア以外の一同が、一斉に箒に向かって注目した。
「え……、なんだ?」
「……じゃあ、味付けはどうしたんだ?」
「あ、味……!? そ……それは、“醤油と昆布出汁と塩”を……“少し”……」
その一言で、焦る箒に追い打ちをかけるように、またも疑いの眼差しが箒に襲いかかる。
「な……、なんだっ、どこがおかしかったんだっ……!?」
想定外の反応に、箒はますます不安になってうろたえる。
それを見た修夜は、溜め息を一つついたあと、「あのな」と前置きをして話し始めた。
「まず結論から言う、【ものすごく味が薄い】んだ」
「……ぇ」
「よく噛んでいくと、ちゃんと素材の味はするし、それなりにまとまってもいる。……ただ、本当に、しっかり噛みしめないと分からないんだよ……」
「そ……、そんな……」
辛口評価にがっくりと肩を落とし、箒はテーブルに突っ伏した。
「ついでに言えば、素材選びをちょっとミスっているな。白菜も鱈も、味は上品だがそもそも薄味だ。その上、調味料も塩・醤油・昆布出汁じゃ塩気しかないし……」
「それはっ……、その……あんまりしょっぱいと……、体に悪い気がして……量を……」
「……なるほど、だから少なめなのか」
「うん……」
箒なりに気を使ったつもりようだが、結果的にそれがすべて裏目に出てしまったらしい。
「……うん、薄いけどちゃんと美味しいです」
ふと見ると、いつの間にか紅耀が半分以上の炒飯を平らげていた。
「お、おいくー……、お腹は大丈夫なのか……?」
修夜の心配をよそに、紅耀は黙々と薄味炒飯を口に運んでいき、
「……ごちそうさまでした」
あっという間に完食してしまった。
その行動力に唖然と
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