帰還そして……
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も、誰とも話しなんかしなかった。……お前らには本当に悪いことをした。最低な奴だって学校中に言われたって、お前らに殴られたって私は文句は言わない。本当にわるかった」
響は再度皆に頭を下げて謝った。響はすぐには頭を上げることはせず、そのまま頭を垂れ続けた。その様子をみた四人はそれぞれ小さく笑うと、
「響さん、お顔を上げてくださいまし」
セシリアの言われたとおりに響がゆっくりと顔を上げると、その顔をセシリアががっちりと両手でロックした。
「にゃにを」
「いいですか響さん。わたくし達はそんなことで響さんのことを嫌いになんてなりませんわ。寧ろ嬉しいくらいですわ、響さんの心の中を知ることが出来て」
「そうだよ。それに親友じゃなかったんなら親友になるように努力すればいいんだよ。もう一度はじめればいいだけだよ」
「ああ。こんなことで私とお姉さまの絆を断ち切ることなんてできん。いいかお姉さま、私は貴方の事が大好きなのだ。たとえ貴方が私を嫌っていたとしてもそれは変わらん」
「だねー。ていうかひーちゃん気にしすぎだよー。こんなくらーい雰囲気で話さなくてもへいきだったてばー」
皆笑顔を浮かべながら言うのを聞き、響も小さく笑みをこぼした。その笑みは今まで響がみなの前で出したことの無い、本当に心のそこから溢れ出た笑みだった。
「まったく……お前らどんだけいい奴等なんだよ。けど、ありがとな」
「気にしないでくださいまし……。で・す・が! 隠し事をしていたことについては少し引っかかるので、今度の日曜日に街で行われる花火大会に響さんはわたくし達と一緒に行ってくださいな」
胸を張りながら言うセシリアだが、響は軽く溜息をつくと、
「ああ。いいぜ、侘びとして一日お前らに付き合うよ。朝から晩までな」
ニカッと笑いながらいう響に四人も笑顔で返した。
深夜。
響はベッドに横になりながら先ほどまでのことを思い出していた。
「……ホント、あいつ等いい奴すぎんだろ。だけど……だからこそ私が守ってやらねぇとな」
拳を天井に向け、響は紫音の言葉を復唱した。
「大切なら守り抜きなさい……か。上等だ」
響は言うと瞳を閉じ眠りについた。
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