帰還そして……
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だ響」
「そうですわ。まったく話が見えません」
それぞれに首をかしげる三人をみて響は軽く咳払いをすると真剣な面持ちで話を始めた。
「順を追って話すな。……私はさ中学からこんな性格で友達なんていなかったんだ。だけどな、一人だけこんな私に話しかけて来てくれるヤツがいたんだよ。最初はうぜぇと思ってたけど……まぁ今もうぜぇんだが。けどな、ソイツと一緒にいるときは不思議と楽しかったんだよ。だからまぁ私もソイツのことを友達だと思えるようになってたんだ。けどある事件がおきたんだ」
「事件とは?」
「私は中学から敵が多くてな。喧嘩売られることなんざしょっちゅうだった。勿論そんな雑魚共なんか軽くあしらえるんだけどよ。けどその日は違ったんだ、その日は友達であるソイツがその雑魚共に攫われちまってさ。私を誘き出す餌にされたわけだ。軍人のラウラなら分かるか?」
「ああ。そいつ等の行動は解せんが、確かに軍でもそういった行動をとることもある」
ラウラの言葉に響は頷くとテーブルにおいてあった飲み物を一口あおり口の中を湿らす。
「そんで私はまんまと引っかかってそこに行ったわけだ。行ってみればそこには縛られて痣だらけになったソイツがいたよ」
その場の惨状を想像したのか、セシリアとシャルロットは口元押さえた。しかし、響は話を続ける。
「まっソイツをそんな風にしたやつらは半殺しにしてきたけどな。……けど問題はその後でさ。幸いにもそこまででかいキズは無くてさ、ソイツは一週間もしたら学校に戻ってきたよ。体中包帯だらけだったけどな。んで、ソイツは私に言ったんだ。「巻き込まれたのは僕のせいだから響は気にしないでいいからね」って、全くどんだけコイツはお人よしなんだかと思ったよ。そんで私もいつものように答えようかと思ったんだけど……そこで私は思っちまったんだ。友達なんて作らない方がソイツがきづつくことなんて無い世界が完成するじゃないかってさ」
目を伏せながら言う響は笑みを見せているものの、それは悲しげな笑みだった。
「以来私はソイツを避け続けた。我ながら最低な行動だと思ったけどそん時の私には友達を作らなければ誰も傷つかないって言う捻くれた考えを持っててな。結局それは現在にも至ってるわけだ。んで、それが今のこの状況にどういう風に通じるかってぇと。……私は心のどこかではお前らの事を完全な友達とは思ってなかった。確かに、友達にはなったが親友にはなってないってことだ」
その独白に誰もが答えることができなかったが、響はお構いなしに続けた。
「確実に私はお前らと一線をひいていた。IS学園は警備もしっかりしてて変なヤローが乗り込んでくることも無かったからお前らとは普通に話してた。だけどな、これがもし普通の学校だった場合私はお前らと
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