第66話 Q.背負う?
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「とゆーわけで、アーマードライダー月花、大・復・活!」
わー、とヘキサとモン太が拍手をくれた。
ちなみに咲は変身していない。ベルトを装着してポーズを取っているだけだ。
「んでさあ、ドライバーといっしょにこんなん入ってたんだけど」
咲は野外劇場のステージを降りて仲間の輪に戻り、新しい二つの錠前を見やすいように輪の中心に置いた。
「ランクBとCか〜。パッと見、パッションフルーツとなんかの豆って感じだな」
「豆ってくだものだっけ?」
「莢果って分類だからくだものでいいんじゃない? こっちなにかしら。大豆?」
「……ソイジ〇イ」
「チューやん、アウト〜」
ひとしきり笑ってから、咲は劇場の客席を見回した。
一人もいない。ここのところ忙しく「りんじきゅうぎょう」ばかりだったから、しばらくはステージがないと思われたか。あるいは親にステージに寄りつくなと言われたか。
どちらにせよ、客は、いない。
「ま、とにかく、変身してみてセーノーチェックしよっか。はい、咲」
「……なぁんで初変身はいっつもみんなに決められるんだろーねーあたし」
ナッツからパッションフルーツの錠前を受け取る。いざ、というその時――
キャアアアァァァァァ!!!!
野外劇場の外から幼い悲鳴が届いた。
咲たちは野外劇場を飛び出して走った。
学校への通学路であるイチョウの並木道。ランドセルを背負った、咲たちよりは学年が低いだろう女子が2人、インベスに襲われていた。
咲はドラゴンフルーツ以外のロックシードをヘキサに投げ渡した。
「変身!!」
装着済みのベルトになじんだドラゴンフルーツの錠前をセットし、カットする。頭上から落ちたドラゴンフルーツのアームズが咲を鎧い、月花へと変えた。
《 ドラゴンフルーツアームズ Bomb Voyage 》
『だっ、りゃあ!!』
まずはインベスに体当たりし、インベスをランドセルの女子から遠ざけた。その隙に、体格が一番大きいチューやんが女子たちを両腕で抱え上げてチームメイトの下に戻った。
(この時間、下校した児童はまだいっぱい来る。早めに終わらせないと)
インベスが長い爪を揮ってきたので、DFバトンで爪を受け流しつつ、ヘキサたちから距離を取っていく。
(このインベスも、初瀬くんみたいにヘルヘイムの果実を食べた人間なのかな?)
ふいに浮かんだ疑問で、手が停まった。
「咲っ!」
ヘキサの呼び声ではっとしたが、遅かった。インベスの鋭い爪が月花の腹を抉り飛ばした。
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