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大魔王からは逃げられない
第七話
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どこがどのコースか一目瞭然の親切設定。


 初級コースは生存目的の迷路。中級上級は殲滅目的の迷路となっており、ほどよく殲滅できてかつ帰還者もいるという一石二鳥のナイスプランだ。


 ちなみにこれらのコースは最後一本道に合流する仕組みになっている。その先がラスボスのステージだ。


 まあ、各種コースの説明は追々していくとしよう。


 俺は広間に据えられた玉座に腰深く掛けながら瞑目していた。斥候として街に向かわせたシオンの話によると、もう間もなく冒険者たちがこのダンジョンにやって来るらしい。予想していた刻限より一週間も遅い到着とは僥倖だ。


「どのくらいの規模でやって来る?」


「討伐隊は冒険者で構成されています。規模は三十人。ほとんどがCランクとのことでした」


 隣に佇むシオンが真っ直ぐ前を見据えたまま答える。微動だにしない彼女の足元には寝そべったダーシュが欠伸を洩らしていた。


「ランクCが三十ね。そのくらいなら問題ないかな。配下も増えたし、罠もいたるところに張ったことだし」


 準備は万端。人事は尽くしたため、あとは獲物が餌に食いつくのを待つだけだ。


【ビーッ、ビーッ!】


 その時、警報とともに指輪が震えた。独りでにマップが虚空に写し出される。


 待ちに待った瞬間だ。椅子から立ち上がり、その場で身体を回して凝った筋肉を解すと、パキパキッと小気味良い音が響いた。


「お出ましだな」


「そのようですね」


「ワウ?」


 マップには無数の赤い光点が表示されていた。入り口から次々と光点が湧いて出てくる。


 自然と唇の端が吊り上がった。


「さてさて、女の子は……って、たったの三人しかいないのか。しかも……うわぁ、シオンのいう通り雑魚ばっかだし」


 素早く画面を操作して侵入者のデータを写し出し、片っ端から目を通していく。ほとんどがレベル三十前後で取るに足らない有象無象の連中だった。


「結局、使えそうなのはこの三人か……」





〈ルセリア・ラインハート〉

 性別:女

 レベル:一五九



〈オルレアン〉

 性別:女

 レベル:一七〇



〈セラフィール・シュトーレン〉

 性別:女

 レベル:一六三





 どれもレベル百超えだ。おそらくギルドランクはBかな。何故こんな人たちがこの中に居るのかは疑問に思うが、今はこの巡り合わせに感謝しよう。


 ダンジョン内のすべてのモンスターたちと精神のパスを繋ぐ。


『皆、侵入者だ。数は三十。事前に説明した通り俺の指示に従ってね。女以外は見つけ次第殺っち
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