第二話
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
よ。なんで俺なんだよ」
「それが今回の肝と言える点だ。今回は相手が難敵でな。我らだけでは手に余るのだ。君の力が必要なのだよ」
モザイクの説明に、背筋がザワリと怖気だつ。
まさか。まさか、そういうことなのか。脳裏に浮かぶ一人の女性。
だめだ。絶対に駄目だ。そんなことは。
完全にピンクに染まった脳裏でぐるぐると考えた俺の前に移された、映像。
隠し撮りしたのだろう結晶から映し出されたのは。
「君もよく知っていよう。『鼠のアルゴ』だ」
俺の最悪の予想だけは、なんとか裏切ってくれた。
まあ、最悪の予想の一歩手前くらいの爆弾では十分にあったのだが。
◆
さて、長々と話してもアレなので、ここからはダイジェストだ。
依頼は『アルゴのベストショットの撮影』。うん、完全に変態の所業だ。
アルゴ……『鼠』と呼ばれる腕利きの情報屋である彼女は、顔にこそ特徴的なペイントがなされているがそれを差し引いてもなかなかの美人である。小柄で人を食ったような笑み、そしてコケティッシュな空気はファンの数人いてもおかしくは無かろう。
彼女も情報屋というその性質上人に恨まれることも多く、その分本人の警戒心も強い。それから隠れぬくにはそれ相応の《隠蔽》スキルが必要になり、それに合うのが俺、という判断だったらしい。それだけで俺に白羽の矢が立つのもおかしな話だ。
そして、その報酬。
それはなんというか、報酬というか。
(……脅し、っていうんじゃねえのか、これ)
―――『黒の剣士@宙吊りなう』。
そう、あの瞬間この変態、撮影してやがったのだ。
これをネタに俺をユスるらしい。
実に小者っぽいクズさである。俺もこのデスゲーム、様々な人間に出会ってきた。アスナの様に真直ぐな人間もいるにはいるが、それはごく少数。圧倒的に多くの人間はどろどろとした部分をもっているし、中には狂的な感情を持った、生理的な嫌悪感を抱かせるような存在もいた。
だが、コイツは正直、初めて見るタイプの人間だった。
根っからのバカで、変態で、でもなんとういか、くだらなさ過ぎて。
(……いや、生理的には嫌なんだが……)
とまあ、脱線したな。そうやってユスられたわけだ。
当初俺はそれを引き受ける気はなかった。当然だ。確かに俺にだってささやかながらプライドというものはある。そして世間一般の『悪のビーター』の代名詞たる『黒の剣士』として、あまりにもみっともない姿をさらすわけにはいかないのではないかという懸念もある。
だが、それのせいで犯罪に手を染めるほどか? と問われれば、答えはノーだ。
ではなぜ、この物語がここで終わらないのか?
それは非常に単純だ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ