第一部・トラブルを解決する幼女
生き物を虐めるって、最低だと思います
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次の日。
私、ビアンお兄さん、お父さん、ビアンお兄さんのお母さんは、皆でアルカパにいました。
ビアンお兄さんたちが帰るとき、女子供だけで旅をするのは危ないと言ってお父さんがついていくことになったので、私もついていったからです。
特に目立った戦闘もなく、私達は無事にアルカパに着きました。
ビアンお兄さんのいえは、大きい宿屋でした。
ビアンお兄さんのお父さんの病気は、ただの風邪でした。
よかったです。
でも、うつるからって私達は家の外に出されてしまいました。
そのとき、ビアンお兄さんが唐突に言いました。
「お前ってさ、声聞くまでは男に見えなくもないよな。」
…ちょっとショックです。
まあ、確かに旅をしやすいようにって男の子用の旅装束着てますし。
髪も短いしそれを少しゴムで結んだだけなので、男の子にもみえるかもですけど。
「…それでも、ひどくないですか?」
「え、それでもの前は何?」
「そんなことはこの際どうでもいいです。」
「お前もちゃんとおしゃれすればかわいいと思うんだけどな。」
「あんまり有難み感じないけどありがとうございます。」
「お前って思った事すぐ口に出すよな。」
「その言葉、そっくりそのまま倍返しです。」
なんか、ちょっとしたトラウマになりそうです。
そんな会話をしつつ、ふらふら歩いていると。
…あ。
あれは。
…止めなきゃ。
私は、無意識にそれに向かって走り出しました。
「おい、どうしたんだよ、リーア!」
ビアンお兄さんの声が聞こえましたが、もう私はお構いなし。
それに向かって、私は叫びました。
「お前たち、何やってる!」
ええ、私自分でもびっくりしました。
こんな事いえるなんて、思っても見ませんでした。
だけど。
「生き物を虐めるなんて、最低にも程があるぞ!」
そう、生き物を虐めるなんていう行為をする奴に、遠慮する必要は、ない!
「な、なんだよ。お前、俺等より年下のくせに逆らうんじゃねーよ。」
「うるさい、こっちは力づくでそのベビーパンサー取る事もできるんだよ!」
奴らが虐めてるのは。
地獄の殺し屋の幼体、ベビーパンサー。
おそらく、足を挫いて反撃できないのだろう。
「へ、こんな珍しい猫渡すかよ。こいつ、滅茶苦茶凶暴なんだぜ。じゃあお前、こいつを懐かせてみろよ。」
…ベビーパンサー。危険な魔物。
でも、なんだかこの子は。
とてつもなく、優しい子な気がする。
この子を見てたら、怒る気持ちもなくなっちゃいました。
「ねえ、どうしたの。」
そう言って、私は手を出します。
「君、ベビーパンサーでしょう?」
一歩、近寄ります。
「おうちはどこ?」
また、一歩。
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