第五十三話 音楽喫茶その七
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「阪神関連どころか関西の野球チームの服全部あるわよ」
「全部、ですか」
「阪神だけじゃなくて」
「そうよ、今のチームだけじゃなくてね」
それどころかというのだ。
「昔の関西私鉄のね」
「あっ、パ・リーグのですね」
「あの三チームですか」
「近鉄、阪急、南海ですね」
「あの三チームですね」
「そういえば」
ここで五人は山達を見た、するとだった。
確かに多くの帽子やユニフォームがあった、その中には。
「緑?まさかこれって」
「あの」
「ああ、それ南海ホークスよ」
書記は緑の帽子を見て驚く五人にすぐに答えた。
「今ソフトバンクのね」
「福岡に行っちゃいましたね」
「大阪にあった頃のチームですか」
「ええ、緑に白ね」
それが南海だった、南海ホークスの色は濃い緑だったのでユニフォームの配色はそうした色になっていたのだ。
それでだ、さらに。
五人は黒と赤、それに白のユニフォームと帽子も見付けた、それは。
「阪急よ」
「そのチームのですか」
「西宮球場が本拠地だったんですよね」
「そうよ、ブレーブスよ」
最早伝説のチームになっている、復活して再び世界の敵巨人に正義の鉄槌を下すことを望んでいる者はもう僅かだろうか。
「これまたいいチーム見付けたわね」
「へえ、結構派手な色ですね」
「帽子も」
「それ最後の方の帽子ね」
黒い帽子に濃い赤で阪急のHではない、白いところに崩した字でBが書かれている、ブレーブスのBである。
「それは」
「へえ、阪急の最後の頃の帽子ですか」
「それがこれですか」
「そうそう、いい帽子よね」
書記はしみじみとした感じで言う。
「その帽子もね」
「そうですね、いい帽子ですね」
「よく目立ちますし」
「これが阪急ブレーブスの帽子ですか」
「いい帽子ですね」
「後は」
そして最後にだった。
赤、白、そして青の三色の帽子とユニフォームだった。派手なその帽子には角を思わせるマークがある。それは。
「近鉄よ」
「近鉄バファローズですね」
「あのチームですね」
「そうそう、その角はね」
書記は五人にその角の話をする。琴乃が持っている三色帽の表の部分を指差しながら話しているのだ。
「岡本太郎さんの角よ」
「あの芸術家のですか」
「あの人の」
「あの人がデザインした角よ」
それが近鉄バファローズの角だというのだ。
「だからそうしたデザインなのよ」
「ううん、この独特のデザインなんですか」
「最初見たら何?って思いますけれど」
「よく見れば面白いデザインですね」
「岡本太郎ってこうなんですね」
「太陽の塔あるじゃない」
大阪の万博の象徴であり今は大阪の象徴の一つにもなっている、その話もするのだtった。
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