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緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
11弾 条件付き降伏
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に出出会い、取り逃がしたことで、目を付けたのだ。

『こいつなら、自分の有能な武偵として使えるかもしれない』と。

 そこまでは仕方ない。トランプで言えば、もう、アリアに取られてしまったカードみたいなものだ。

 だが、まだこっちにも伏せているカードがある。

 それがバレれば、アリアは俺に失望して、離れていってくれるだろう。

「……いいわ。じゃあ、この部屋から出てってあげる」

 俺の妥協案に、やっと――――疫病神が出ていく宣言をしてくれた。

「あたしにも時間が無いし。その1件で、あんたの実力を見極めることにする」

「……どんな小さな事件でも、1件だぞ」

「OKよ。そのかわり、どんな大きな事件でも1件よ」

「わかった」

「ただし、手抜きしたりしたら風穴あけるわよ」

「ああ、約束する。全力でやってやるよ」

 今の俺の全力で、な。

「さて、じゃあそろそろ出て行ってくれ」

「言われなくても分かってるわよ――――って言いたいところなんだけど……あのね、ミズキ。もう一晩だけ泊めてくれない?」

「何で?」

「……部屋のカギ、置いてきちゃった」

「……おいおい」

 前言撤回。どうやらもう一晩だけ、疫病神は俺の部屋から出て行ってくれないようだ。
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