暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
11弾 条件付き降伏
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 両手を染めるあかは血の(あか)

 顔を染めるあかは血の(あか)

 部屋を染めるあかは血の(あか)

 床に倒れた両親を染めるあかは血の(あか)

 みーんなみんな、まっかな血で染まってる。

 どうして、こんなことになったんだろう?どうして、こんなことをしたんだろう?どうしてどうしてどうしてどうして?

「どうして、ぼくは父さんと母さんを殺したんだろう?」

 自分でも分からない疑問に頭の中から答える声がした。

「それはな。汝がそう望んだからだ」

「ぼくが?」

「ああ。汝がその者たちを憎悪したから、その者たちを殺したいと思ったから、汝はその者たちを殺したのだ」

「そっか。ぼくが父さんと母さんを殺したいと思ったから、ぼくは父さんと母さんを殺したんだ」

 そっかあ。疑問が解けてすっきりした。はずなのに。

 不意に、頬を熱い何かがつたう感じがした。頬から口もとに落ちてきたそれを舐めると、とてもしょっぱかった。

 どうして?

「どうしてぼくは、泣いてるんだろう」

 今度は、頭の中から答える声はなかった。

 その代わり、別の場所から別の声が聞こえた。

「なんで?なんでなの!?なんでお父さんとお母さんを殺したの!?」

 声が聞こえた方を向くと、ぼくの妹が泣いていた。

「答えてよ!おにいちゃん!」

 そんなこと言われても困る。どうして殺したかなんて、ぼくだって分からない。あれ?でもさっき聞いたような?何だっけ?

 ぼくが殺した理由を思い出そうと頑張っていると、妹が叫んだ。

「絶対に、絶対に許さないんだから!いつか、殺してやる!この犯罪者!」

 『この犯罪者!』。この言葉が、何故か心の奥深くまで刺さってくる。痛い。痛いのには慣れてるはずなのに。この痛みはいつもの痛みとは何かが違って、いつもよりぼくのことを傷つけてくる。

 ぼくは見知らぬ痛みに困惑しながら、その痛みが発生する原因になった妹の方を見る。妹は未だに悲しそうに泣いていたけど、それ以上にぼくに怒っているような、ぼくを憎んでいるような、ぼくを呪っているような気がした。

 なんでか分からないけど、妹がそんな顔してるは嫌だな、と思った。自分のせいで泣いているのに、身勝手にも。

 それでも、妹には笑顔の方が似合うから。妹には笑顔でいてほしいと思った。

 そして、ぼくの意識はそこで途切れ。

 俺の意識が浮上した。



「んっ……ここは、ソファの上、か?」

 目が覚めると、俺は部屋にあるソファの上で横になっていた。しかも、ご丁寧に毛布まで掛けられている。

 えっと、確か俺は夕方にアリアと言い争って、アリアになんか言われて、急に
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ