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花天の椿
第三章 終わる日常
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東は一人鈴に、指を差されていることに、首を傾げた。


「ええと」


東に変な所はない、なのに皆がこちらを見ている状況に焦る


「余! じゃなくて! 後ろ!!」


トーリの言葉に東は、言われた方向を見る。
そこには、東の征服の裾を握る小さな少女がいた。
しかもその少女は


「透けてる………?」


身体の全てが透けていたのだ。


「パパ、いないの………」


そして少女はうつむき、


「ママ、見つからないの………」


迷子か、と東は納得していた。
そしてその東の代わりに、皆が叫ぶ


『で、出たぁーーー!!』






と、その瞬間、皆の後方、三河の方角から大きな光が生まれた。
その光は、言葉にするならまさしく光の柱だった。


「何だよ、アレ?」


皆を代表してトーリが、呟く
だが誰も何も答えられなかった。
たった一人を除いて


「アレは、方向的に三河? いや、まさか!?」


椿の声に焦りが混じる、
そんな椿に浅間が問いかける。


「何があるんです? 椿君」


椿の表情を見る限り、ただ事ではない、ということは皆にも解っていた。


「俺の予想が正しければ、あの光が出ているのは三河の地脈統括炉………そしてあの光の原因は恐らく」


椿の額に汗が浮かぶ、ゆっくりと言葉を紡ぐ


「地脈の暴走、しかもあの光を見る限り、このままじゃあ恐らく…………三河が消滅する」


椿の小さくだが、はっきりと紡がれた言葉に皆言葉を失う。



この日、この瞬間、椿達の日常は、静かに終わりを告げていた。

















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