第三章 終わる日常
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東は一人鈴に、指を差されていることに、首を傾げた。
「ええと」
東に変な所はない、なのに皆がこちらを見ている状況に焦る
「余! じゃなくて! 後ろ!!」
トーリの言葉に東は、言われた方向を見る。
そこには、東の征服の裾を握る小さな少女がいた。
しかもその少女は
「透けてる………?」
身体の全てが透けていたのだ。
「パパ、いないの………」
そして少女はうつむき、
「ママ、見つからないの………」
迷子か、と東は納得していた。
そしてその東の代わりに、皆が叫ぶ
『で、出たぁーーー!!』
●
と、その瞬間、皆の後方、三河の方角から大きな光が生まれた。
その光は、言葉にするならまさしく光の柱だった。
「何だよ、アレ?」
皆を代表してトーリが、呟く
だが誰も何も答えられなかった。
たった一人を除いて
「アレは、方向的に三河? いや、まさか!?」
椿の声に焦りが混じる、
そんな椿に浅間が問いかける。
「何があるんです? 椿君」
椿の表情を見る限り、ただ事ではない、ということは皆にも解っていた。
「俺の予想が正しければ、あの光が出ているのは三河の地脈統括炉………そしてあの光の原因は恐らく」
椿の額に汗が浮かぶ、ゆっくりと言葉を紡ぐ
「地脈の暴走、しかもあの光を見る限り、このままじゃあ恐らく…………三河が消滅する」
椿の小さくだが、はっきりと紡がれた言葉に皆言葉を失う。
この日、この瞬間、椿達の日常は、静かに終わりを告げていた。
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